1級建築施工管理技士の過去問
令和4年(2022年)
午前 イ 問3

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和4年(2022年) 午前 イ 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 音波は、媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。
  • 音速は、気温が高くなるほど速くなる。
  • 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、低い周波数よりも高い周波数の音のほうが回折しやすい。
  • ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

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この過去問の解説 (1件)

01

壁体などの建材に求められる代表的な性能は熱(断熱)と音(遮音・音響)です。

試験では「熱」または「音」から1問が出題される傾向にあります。

また、音に関しては透過損失や音の効果(現象)について高頻度で出題されています。

音の伝わり方(特性)、用語の意味を理解しておけば解けるはずです。

選択肢1. 音波は、媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。

【〇】

進行方向(伝搬方向)と振動方向が同じであるのが縦波。垂直なのが横波です。

問題文の中で、縦波の説明部分は合っています。

では、音波(音)は縦波か横波かについいですが、

空気は縦波しか伝えません。

音は空気の密度の大小によって伝わる疎密波(粗密波)です。

(参考)電磁波(光や電波)は電磁波の変化により伝わる横波です。

選択肢2. 音速は、気温が高くなるほど速くなる。

【〇】

音速=331.5+0.6t[m/s]で計算できます。tは気温です。

気温が1℃上昇すると音は0.6m/s速くなります。

(参考)温度が高いほど分子は動きやすいため、音が早く伝わります。

選択肢3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、低い周波数よりも高い周波数の音のほうが回折しやすい。

【✕】

・波長が長い=周波数が小さい=低音

・波長が短い=周波数が大きい=高音

波が建物などの障害物を回り込んで伝わる現象を回折と言います。

波は波長が長いほど(周波数が低いほど)回折しやすい特徴があります。

障害物の長さよりも波長が長い場合は特に回折します。

(参考)人の後ろにいても話声が聞こえるのは回折です。

選択肢4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

【〇】

イメージ通りです。

高い音のなかに低い音が混じっていたら目立ちます。

逆に、同じような周波数の音ばかりだと聴き取りづらくなります。

周波数が近いほどマスキング効果は大きくなり、

妨害音(マスキングする音=マスカー)がマスキング効果が大きくなります。

(参考)マスキング効果を利用し、意図的に妨害音を発生させて元の騒音を消す対策があります。

まとめ

このほかに、建材の遮音・吸音性能や音の減衰(デシベルdBの減り方)などを理解しておきましょう。

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