1級建築施工管理技士の過去問
令和4年(2022年)
午前 イ 問11

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和4年(2022年) 午前 イ 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
  • ある特定の温度以上まで加熱した後、急冷する焼入れ処理により、鋼は硬くなり、強度が増加する。
  • 鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、靱性は低下する。
  • SN490BやSN490Cは、炭素当量等の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。
  • 低降伏点鋼は、モリブデン等の元素を添加することで、強度を低くし延性を高めた鋼材である。

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この過去問の解説 (1件)

01

金属材料に関しては毎年出題されています。鉄(鋼材)に関する問題が多く、その他の金属ではアルミニウム、銅、鉛または合金です。

選択肢1. ある特定の温度以上まで加熱した後、急冷する焼入れ処理により、鋼は硬くなり、強度が増加する。

【〇】

鋼材の熱処理には「焼入れ」「焼き戻し」「焼きなまし」「焼きならし」の4種があります。

焼入れは鋼材を硬く(引張強度)、焼き戻しは鋼材を粘り強く(靭性)、焼きなましは鋼材を柔らかく(加工性)、焼きならしは鋼材を均一にします。

選択肢2. 鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、靱性は低下する。

【〇】

鋼材は炭素量が増えると固くなり、そのかわりに粘り(=伸び)がなくなります。

固さは引張強度であり、粘り強さは靭性です。

固い鉄とか柔らかい鉄のイメージがあれば解ける問題です。

選択肢3. SN490BやSN490Cは、炭素当量等の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

【〇】

SN鋼(Steel New Structure、建設構造用圧延鋼材)にはABC種があります。

そのうちA種は溶接しない部材、B種とC種は炭素当量の上限を規定して溶接性を改善した鋼材です。

SN490Bは引張強さ490の構造用圧延鋼材B種を示します。

(参考)炭素当量Ceqは溶接性に関する数値の一つです。

選択肢4. 低降伏点鋼は、モリブデン等の元素を添加することで、強度を低くし延性を高めた鋼材である。

【✕】

低降伏点鋼は純鉄に近い鋼であり、強度が低く延性が高い。

(参考)モリブデンなどの元素を添加して耐火性を高めるのはFR鋼です。FRはFire Resistantの略。

まとめ

まず鋼材について共通の特性、種類毎の特性を整理しておきましょう。その他の金属の特徴は鉄を基準に考え、鋼材と比べた大小の関係(例えば、ヤング係数:鋼材>銅>アルミ)で整理すると覚えやすいです。

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