1級建築施工管理技士の過去問
令和4年(2022年)
午前 ハ 問22
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
1級 建築施工管理技術検定試験 令和4年(2022年) 午前 ハ 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたため、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。
- 法付けオープンカットの法面保護をモルタル吹付けで行うため、水抜き孔を設けた。
- 粘性土地盤を法付けオープンカット工法で掘削するため、円弧すべりに対する安定を検討した。
- ヒービングの発生が予測されたため、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
掘削方法に関する問題は、よく出題されます。
苦手意識を持たずに、単語の意味を理解してください。
「根切り」:地面を掘削すること
「被圧帯水層」:水が含まれてる層と覚え解けばOK!
「ディープウェル工法」深い井戸を掘って、水中ポンプで汲み上げ地下水位を低下させる重力排水工法です。
山肌を、山の勾配なりに削っていく工法です。
水抜きの孔を設けないと、モルタル吹付けが行えません。
オープンカット工法=円弧すべりの検討必要で覚えましょう。
ヒービングの絵を見たら一目瞭然です。
ヒービングは土圧で起きます。水は関係ありません。
参考になった数52
この解説の修正を提案する
02
土工事分野からの出題はあまり頻度がは多くありません。山留め工事を中心に対策しておきましょう。
山留め、地盤の異常現象、地下水対策について関連付けて覚えておきましょう。
【〇】
ディープウェル工法は大量の揚水を必要とする場合、帯水層が深い場合、帯水層の透水性が大きい場合(砂や砂礫層)に採用されます。水中ポンプで強制排水します。
被圧帯水層は不透水層に挟まれて加圧状態にある地下水層のことです。
掘削により荷重が減少することで地下水圧(上向き)が地盤面を押し上げる現象=盤ぶくれが起こることがあります。
【〇】
法面をモルタル吹付する土中からの水の逃げ道(排水)がなくなるため、水抜き孔を設置する必要があります。
【〇】
粘土質地盤の法面崩壊の一つです。
掘削により想定されるすべり面に沿って円弧すべりを発生させるせん断応力と抵抗するせん断強さの関係を調べて安定かどうかの検討を行います。
【✖】
ヒーピングは山留後背土の回り込みにより発生する地盤の膨れであり、地下水との関連はありません。
対策としては、山留の根入れを粘性土深さよりも大きくする、周辺の地盤をすき取り山留後背の土圧を減らすなどがあります。
次の事柄を整理して対策しておきましょう。
地下水:ディープウェルとウェルポイント
山留め:親杭横矢板、鋼矢板、ソイルセメント工法
山留め支保工:プレロード工法
地盤現象:ヒーピング、盤ぶくれ、ボイリング
参考になった数34
この解説の修正を提案する
03
土工事における、法付けオープンカット工法に関連する問題と地盤破壊に関する問題です。
山留めと地下水処理方法をそれぞれ分けて学びましょう。
設問の通りです。ディープウェル工法は深井戸工法とも呼ばれ、深井戸に集まった浸透水をポンプで揚排水する工法です。浸水性の高い地盤の地下水位を低下させる場合に用いられます。
設問の通りです。のり面保護をモルタル吹付け固定する場合は、水抜き孔を設けます。
設問の通りです。軟弱な粘性土地盤ではのり面が円弧状に地滑りする円弧滑りが発生する可能性があるため、対策を検討する必要があります。
設問は誤りです。ヒービングは軟弱地盤で土留め壁の外側の土が内側へ土留め壁の下を回りこんで掘削地盤の底面が押し上げられる現象です。ウエルポイントで地下水位を低下させても対策になりません。
ボイリング、ヒービング、盤ぶくれ現象といった掘削底面の破壊現象をおさえておき、対応するためにどのような対策が適切かを学んでおきましょう。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問21)へ
令和4年(2022年)問題一覧
次の問題(問23)へ