1級建築施工管理技士 過去問
令和5年(2023年)
問57 (午後 ロ 問3)

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和5年(2023年) 問57(午後 ロ 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨の溶接に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
  • 溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。
  • 裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用いた。
  • 溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みにかかわらず同じ値とした。
  • 490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。
  • 溶接作業場所の気温が−5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は応用問題です。溶接では作業気温や許容差をよく理解しましょう!

選択肢1. 溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。

設問通り、溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で

その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接します。

選択肢2. 裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用いた。

設問通り、裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用います。

選択肢3. 溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みにかかわらず同じ値とした。

×

溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、

鋼材の厚みが15mm以下の場合、管理許容差はe≦1mm、限界許容差はe≦1.5mmです。

選択肢4. 490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。

設問通り、490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため

低水素系溶接棒を使用します。

選択肢5. 溶接作業場所の気温が−5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

×

作業場所の気温がー5℃を下回る場合は溶接を行ってはいけません。

気温が低いと溶接部の冷却スピードが速くなって割れが生じやすくなるからです。

ー5℃から5℃までの場合は設問の通りOKです!

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02

鉄骨の溶接に関する記述について覚えましょう。

選択肢1. 溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。

設問の通りです。

選択肢2. 裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用いた。

設問の通りです。

選択肢3. 溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みにかかわらず同じ値とした。

溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みによって変化します。

よって誤りです。

選択肢4. 490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。

設問の通りです。

選択肢5. 溶接作業場所の気温が−5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

溶接作業場所の気温が−5℃を下回っている場合、溶接作業を中止する必要があります。

よって誤りです。

なお溶接作業場所の気温が−5℃から5℃の場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行う必要があります。

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03

鉄骨は多くの建物で使われる構造です。その鉄骨において、溶接は必ずと言っていいほど行われるものであり、試験でも頻出する分野です。難しい問題も多いですが、必ず押さえておきましょう。では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。

設問の記述は適当です。溶接部を斫り取った上で補修溶接することは、不良部分が確実に除去されることからも、信頼性の高い方法の一つです。50mmという数値も併せて覚えましょう。

選択肢2. 裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用いた。

母材と同等の鋼種を使用することは、違う鋼種を使用することに比べて、信頼性が高い方法といえます。設問の記述は適当です。

選択肢3. 溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みにかかわらず同じ値とした。

鋼材の厚みの違いによって、様々なものが変化します。食い違いの許容差も、当然ながら変化します。設問の記述は、全くの誤りです。絶対に間違わないようにしましょう。

選択肢4. 490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。

基本的に、鋼材の級に関わらず、低水素系溶接棒を使用することは、好ましいことです。設問の記述は適当です。

選択肢5. 溶接作業場所の気温が−5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

設問の記述は、全くの誤りです。-5℃を下回るということは、-100℃や-200℃も含まれるということです。-100℃や-200℃の環境で、溶接作業ができるはずもありません。この問題は、絶対に間違わないしましょう。

まとめ

今回の問題に関しては、難しい部分が多少はあるものの、簡単な部類に入ります。必ず押さえておきましょう。

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