1級建築施工管理技士の過去問
令和6年(2024年)
午前 ホ 問10

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和6年(2024年) 午前 ホ 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造の建築物の外壁改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 小口タイル張り仕上げにおいて、タイル陶片のみ浮きが発生している部分は、浮いているタイルを無振動ドリルで穿孔して、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入夕イル固定工法で改修した。
  • 小口タイル張り仕上げにおいて、下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生していたため、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修した。
  • 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて、生じたひび割れの幅が2.0mmで挙動のおそれがあったため、可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修した。
  • 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて生じたひび割れの幅が0.1mmで挙動のおそれがなかったため、パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修した。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄筋コンクリート構造の建築物の外壁改修工事に関する記述問題について、解説します。

選択肢1. 小口タイル張り仕上げにおいて、タイル陶片のみ浮きが発生している部分は、浮いているタイルを無振動ドリルで穿孔して、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入夕イル固定工法で改修した。

浮いているタイルを確認後、周囲のタイルとの状態をチェックし、無振動ドリルを使用して、タイルの中心部分に穿孔します。アンカーピンニングエポキシ樹脂を適切に混合し、穿孔した穴に注入口からエポキシ樹脂を注入します。エポキシ樹脂が完全に硬化するまでの間、タイルを動かさないようにします。養生期間中は、温度と湿度にも注意が必要です。よってこの記述は適当です。

選択肢2. 小口タイル張り仕上げにおいて、下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生していたため、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修した。

タイル張替え工法は、剥落しているタイルを慎重に取り除き、下地のモルタルも適切に剥がします。下地モルタルの表面を清掃し、必要に応じて補修を行います。下地にポリマーセメントモルタルを均一に塗布し、タイルを貼るための接着層を作ります。新しいタイルを接着層にしっかりと押し付け、位置を調整します。タイルの目地を確保することも重要です。よってこの記述は適当です。

 

選択肢3. 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて、生じたひび割れの幅が2.0mmで挙動のおそれがあったため、可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修した。

Uカットシール充填工法は、床や壁などのコンクリート面のひび割れをU字型にカットし、弾性シーリング等を充填する工法です。挙動しない1mmを超えるひび割れ、及び挙動する0.2mm以上1.0mm以下のひび割れに使用します。挙動の恐れがある場合は、可とう性エポキシ樹脂、または軟質系エポキシ樹脂、挙動しない場合は硬質形エポキシ樹脂を使用します。記述は2mmなので不適当です。

選択肢4. 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて生じたひび割れの幅が0.1mmで挙動のおそれがなかったため、パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修した。

外壁打放しのひび割れ条件で、記述のひびであればパテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で処置するのは適当です。

まとめ

鉄筋コンクリート構造の建築物の外壁改修工事に関する記述問題の傾向は以下のようになります。

劣化の種類(ひび割れ、剥落、腐食など)について、改修工法の選定理由や施工手順、使用する材料について。また、具体的な改修方法(エポキシ樹脂注入、補強工法)についても覚えておきましょう。

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02

解説は下記の通りです。

選択肢1. 小口タイル張り仕上げにおいて、タイル陶片のみ浮きが発生している部分は、浮いているタイルを無振動ドリルで穿孔して、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入夕イル固定工法で改修した。

正です。下地モルタルと下地コンクリートの間の浮きが0.25㎡未満の場合はアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法を用いり、0.25㎡以上の場合はアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法を用いて改修します。

選択肢2. 小口タイル張り仕上げにおいて、下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生していたため、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修した。

正です。下地モルタルを含むタイル陶片の比較的浅い剥落欠損がある場合、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修します。深い剥落欠損がある場合、エポキシ樹脂モルタル充填工法で改修します。

選択肢3. 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて、生じたひび割れの幅が2.0mmで挙動のおそれがあったため、可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修した。

誤です。生じたひび割れの幅が1.0mm以上で挙動のおそれがある場合、Uカットし、シーリング材を充填します。生じたひび割れの幅が1.0mm以上で挙動のおそれがない場合、可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修します。

選択肢4. 外壁コンクリート打放し仕上げにおいて生じたひび割れの幅が0.1mmで挙動のおそれがなかったため、パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修した。

正です。0.2mm未満のひび割れの場合、上記のような漏水防止措置を行います。

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