大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問28 (世界史B(第6問) 問1)
問題文
A 次のモスクX〜Zは、もともとは異なる宗教の施設の一部であったとされる材料を用いて造られている。(画像は、一部省略したところもある。)
画像の下線部aについて述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問28(世界史B(第6問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
A 次のモスクX〜Zは、もともとは異なる宗教の施設の一部であったとされる材料を用いて造られている。(画像は、一部省略したところもある。)
画像の下線部aについて述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

- カビールによって創始された。
- 苦行と不殺生を説いている。
- ボロブドゥールが建てられた。
- 『リグ=ヴェーダ』を含むヴェーダが聖典として編纂(へんさん)された。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、モスク建築の一部が異なる宗教施設の材料を再利用しているという歴史的背景から、再利用された宗教施設がどの宗教に由来するのかを推測する設問です。画像中の下線部aに関連する宗教の特徴を、複数の選択肢の中から正しく判断することが求められます。
これは誤りです。カビールは15世紀の北インドで活躍した宗教改革者で、ヒンドゥー教とイスラームの融合を目指したバクティ運動の担い手です。彼は宗教的形式主義を批判し、「神は形にとらわれない」と説きましたが、宗教そのものを「創始」したわけではありません。
これはジャイナ教を指す特徴であり正解です。ジャイナ教では、生きとし生けるものを傷つけないという「アヒンサー(不殺生)」を最も重視しており、徹底した菜食や昆虫すら殺さないように注意するほどです。また、苦行による精神修行も重視されます。画像の下線部aに描かれているものがジャイナ教寺院の遺構であると読み取れることがポイントです。
これは仏教に関係する記述です。ボロブドゥールはインドネシア・ジャワ島にある世界最大級の仏教遺跡で、8〜9世紀頃に建てられました。仏教寺院であって、モスクやジャイナ教とは無関係です。誤りです。
これはバラモン教(のちのヒンドゥー教)に関する記述です。ヴェーダ文献は、紀元前1500年頃から編まれたインド最古の聖典群で、リグ=ヴェーダはその中でも最も重要な賛歌集です。こちらもモスクやジャイナ教との直接の関係はありません。誤りです。
【覚えておくべきポイント】
ジャイナ教の基本教義は「不殺生」と「苦行」である。これは他宗教と明確に区別できる重要なキーワードです。イスラーム教がインドに進出した際、既存のヒンドゥー教やジャイナ教の寺院を改装・転用してモスクを建てることがあった。
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02
【問題文の整理】
モスクXでは、「ヒンドゥー教やジャイナ教の寺院の石柱」が再利用されている、とあります。
つまり、ジャイナ教とはどんな宗教か?を問われています。
【ジャイナ教の特徴】
・紀元前6世紀頃、インドで成立
・苦行と禁欲を重視
・特に「不殺生(アヒンサー)」を徹底して説く!(虫や植物も含めすべての生命を殺さない)
カビールはヒンドゥー教とイスラーム教を融合させた思想家であり、ジャイナ教とは関係ありません。
ジャイナ教の中心教義であり、正しい内容です。【正解】
ボロブドゥールは仏教遺跡であり、ジャイナ教とは無関係です。
ヴェーダはヒンドゥー教の聖典であり、ジャイナ教とは関係ありません。
ジャイナ教は、紀元前6世紀頃、ヴァルダマーナ(マハーヴィーラ)によって体系化され、厳格な苦行と徹底的な不殺生(アヒンサー)を教義の中心としました。
その精神は、インド文化に深く影響を与えています。
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