大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問31 (世界史B(第6問) 問4)
問題文
B 次の図は、ウィーンにある「( ア )=ホーフ」と呼ばれる建物の写真を一部加工したものである。「ホーフ」は館や中庭を意味するドイツ語である。
b 19世紀以降、都市化が進展したヨーロッパでは、公衆衛生や福祉政策が整備された。c ハプスブルク家の拠点であったウィーンでも、人口が急増するなか、特に労働者の住環境が悪化した。
第一次世界大戦後、社会主義運動が高まりを見せていたウィーンでは、労働者を支持基盤とする社会民主党が市政を掌握した。社会民主党は、1920年代から30年代にかけて、労働者の住環境改善を目指して、水道や電気、ガスの設備があり、家賃も安く抑えた市営住宅を建設した。「( ア )=ホーフ」もそうした市営住宅の一つで、1930年前後に建設され、21世紀の現在も住宅として使われている。
Bの文章中の( ア )には、『資本論』を著し、社会主義運動に大きな影響を与えた人物の名が入る。この人物について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問31(世界史B(第6問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
B 次の図は、ウィーンにある「( ア )=ホーフ」と呼ばれる建物の写真を一部加工したものである。「ホーフ」は館や中庭を意味するドイツ語である。
b 19世紀以降、都市化が進展したヨーロッパでは、公衆衛生や福祉政策が整備された。c ハプスブルク家の拠点であったウィーンでも、人口が急増するなか、特に労働者の住環境が悪化した。
第一次世界大戦後、社会主義運動が高まりを見せていたウィーンでは、労働者を支持基盤とする社会民主党が市政を掌握した。社会民主党は、1920年代から30年代にかけて、労働者の住環境改善を目指して、水道や電気、ガスの設備があり、家賃も安く抑えた市営住宅を建設した。「( ア )=ホーフ」もそうした市営住宅の一つで、1930年前後に建設され、21世紀の現在も住宅として使われている。
Bの文章中の( ア )には、『資本論』を著し、社会主義運動に大きな影響を与えた人物の名が入る。この人物について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

- 『共産党宣言』の執筆に携わった。
- 無政府主義を唱えた。
- 『法の精神』を著した。
- 精神分析学の基礎を形成した。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、ウィーンの「(ア)=ホーフ」に名前が使われている人物についての知識を問うものです。文章から、この建物が1930年前後に建設された市営住宅であり、社会主義運動の影響を受けた都市政策の一環であることが読み取れます。したがって、社会主義に関連する人物が(ア)に入ることが分かります。
カール・マルクスは、『資本論』の著者であり、社会主義思想を発展させた人物です。正解です。
これはミハイル・バクーニンやクロポトキンといった無政府主義者にあてはまります。マルクスは国家を段階的に廃止するべきと考えましたが、無政府主義そのものではありません。誤りです。
これは18世紀フランスの思想家モンテスキューの著作です。三権分立を主張しましたが、マルクスとは無関係です。誤りです。
これはジークムント・フロイトの業績で、マルクスとは分野が異なります。フロイトもウィーンで活動しましたが、精神医学の人物です。誤りです。
【覚えておくポイント】
・カール・マルクスは『共産党宣言』や『資本論』の著者で、社会主義思想の基礎を築いた。
・「カール=マルクス=ホーフ」は社会民主党政権下で建てられた市営住宅で、労働者の住環境改善を目的とした。
・選択肢に登場する他の人物は、それぞれ別の思想や分野に属するため、混同しないよう注意する。
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02
【問題文の整理】
・『資本論』を著した
・社会主義運動に大きな影響を与えた
→つまり、カール=マルクス(Karl Marx)
カール=マルクスはエンゲルスとともに『共産党宣言』を執筆したので、正しい内容です。【正解】
無政府主義はバクーニンらが主張した思想であり、マルクスとは異なります。
『法の精神』は18世紀の思想家モンテスキューによる著作です。
精神分析学はジークムント・フロイトによって発展しました。
カール=マルクス(1818–1883年)は、エンゲルスとともに『共産党宣言』を執筆し、資本主義社会の矛盾を批判して社会主義思想を体系化しました。
また、代表作『資本論』では資本主義経済の仕組みを科学的に分析しました。
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