大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問88 (地理B(第4問) 問5)
問題文
次の図中のS~Uは、いくつかの同系統の言語の分布を示したものであり、文サ~スは、S~Uのいずれかの言語について述べたものである。S~Uとサ~スとの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
サ かつて広い範囲で使用されていた形跡がヨーロッパ各地の地名などに残るが、現在は限られた地域で使用されている。
シ 周囲に分布するラテン語派の言語より起源が古く、他の言語と系統関係がみられない孤立言語とみなされている。
ス ユーラシア大陸中央部に起源をもつとされ、周囲に分布する言語とは異なる語族に属している。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問88(地理B(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
次の図中のS~Uは、いくつかの同系統の言語の分布を示したものであり、文サ~スは、S~Uのいずれかの言語について述べたものである。S~Uとサ~スとの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
サ かつて広い範囲で使用されていた形跡がヨーロッパ各地の地名などに残るが、現在は限られた地域で使用されている。
シ 周囲に分布するラテン語派の言語より起源が古く、他の言語と系統関係がみられない孤立言語とみなされている。
ス ユーラシア大陸中央部に起源をもつとされ、周囲に分布する言語とは異なる語族に属している。

- S:サ T:シ U:ス
- S:サ T:ス U:シ
- S:シ T:サ U:ス
- S:シ T:ス U:サ
- S:ス T:サ U:シ
- S:ス T:シ U:サ
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この過去問の解説 (1件)
01
S―サ、T―ス、U―シ の組合せが最も適当です。
S の分布はブリテン諸島やブルターニュなど現在点在するケルト系言語で、かつては欧州全体に広がっていた痕跡が地名に残ります。
T はハンガリー・フィンランド・エストニアなどに飛び地状に分布するウラル語族(フィン・ウゴル系)で、中央ユーラシア起源とされます。
U はピレネー山脈周辺だけに残るバスク語で、系統不明の孤立言語です。
不適切な選択肢です。
適切な選択肢です。
【各言語と文サ~スの対応理由】
●S とサ
地理:アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュなどに小さな分布域。
歴史:古代ローマ以前は大陸部にも広く存在したが、ゲルマン・ラテン系の拡大で後退。
文サ「かつて広い範囲で使用~現在は限られた地域」―ケルト諸語の状況に一致します。
●T とス
地理:ハンガリーを中心に、エストニア・フィンランド、さらにロシアの少数民族地域に点在。
系統:インド=ヨーロッパ語族とは異なるウラル語族で、言語学的起源はウラル山脈周辺。
文ス「ユーラシア大陸中央部に起源~周囲と異なる語族」―特徴が合致します。
●U とシ
地理:スペイン・フランス国境のバスク地方のみ。
系統:バスク語は他の語族と関係が証明されておらず、ローマ以前から存在。
文シ「周囲のラテン語派より古く、孤立言語」―そのままバスク語の説明です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
言語分布の問題では、
1.古代の拡散と現在の残存範囲(ケルト語の後退など)
2.語族関係の有無(バスク語の孤立、ウラル語族の独自性)
3.地図上の飛び地配置(ハンガリーと北欧に点在するフィン・ウゴル系)
に注目すると整理しやすくなります。
今回の三例は、歴史的変遷や語族の違いが地図にくっきり表れている代表例でした。
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