大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2023年度)本試験
問25 (世界史B(第4問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2023年度)本試験 問25(世界史B(第4問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の様々な言語や文字と、それを用いた人々の文化やアイデンティティについて述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

教室でタブレットを使って調べ物をしながら、生徒と先生が会話をしている。

近藤:インターネットで検索して、唐代の長安で作られた碑の写真を見ていたら、漢字ではない文字が書かれているようです。これは何でしょうか。
先生:これはシリア文字ですね。シリア語を書き記すのに使われる文字です。シリア語は、アラム語から派生して、西暦1世紀頃から用いられ始め、その後メソポタミア地方一帯においてキリスト教徒によって用いられる言語として広がりました。
相田:ということは、この碑の制作に関わったキリスト教徒が、シリア語を使っていたということでしょうか。
先生:そのとおりです。ローマ皇帝( ア )による公認以降、ローマ帝国の領域内でキリスト教の教義が議論されていきましたが、ローマ帝国と対立していたササン朝の下では、ローマ帝国内の教会からは独立した教会が形成されていました。それによってキリスト教徒はイラン各地へと広がっていき、その後、中国へも到達していました。彼らの多くが教会で用いる言語としてシリア語を使っていたため、シリア文字が使われたと考えられます。
近藤:シリア語は、ほかにはどのような時に使われたのでしょうか。
先生:例えば、8世紀後半のイラクでは、キリスト教徒が、ギリシア語で書かれた論理学の書物をシリア語に翻訳し、カリフの依頼により、それらをさらにアラビア語へと翻訳しました。このシリア語を経由した翻訳活動は、9世紀には、ギリシア語から直接アラビア語に翻訳するという形が広がっていく学術的基盤となりました。
相田:それでは、ギリシア語からアラビア語への翻訳が普及してしまうと、シリア語は使われなくなったのでしょうか。
先生:いいえ、シリア語はその後も使われ続け、逆にアラビア語による学術的成果を取り入れるようになりました。11世紀から13世紀には、シリア語でも再び多くの書物が記されるようになり、モンゴル支配下の西アジアにおいて、様々な学術分野の著作がシリア語で書き残されました。
近藤:a 地域や王朝を越える文化の伝達に、シリア語は大きな役割を果たしていたのですね。

文章中の空欄( ア )の人物の事績あ・いと、その人物が開催した公会議について述べた文X~Zとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。

事績
あ  外敵の侵入に対応するため、軍管区制(テマ制)を導入した。
い  徴税強化のため、コロヌスの移動を禁止した。

公会議について述べた文
X  単性論が異端とされた。
Y  アリウス派が異端とされた。
Z  ネストリウス派が異端とされた。
問題文の画像
  • あ ― X
  • あ ― Y
  • あ ― Z
  • い ― X
  • い ― Y
  • い ― Z

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