大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2023年度)本試験
問28 (世界史B(第4問) 問4)
問題文
コロンブスはイタリアのジェノヴァ人であるという説が現在では定説になっている。しかし19世紀には、彼は「スペイン人」であるという説があった。この説の提唱者たちは、コロンブスがほとんどの文書をスペイン語で書いていたことを根拠に、彼が「スペイン人」だと思い込んでいたのである。
それではなぜ、コロンブスは「イタリア語」で書かなかったのか。現在のイタリア語はトスカナ語が基になっているが、彼が生まれ育ったジェノヴァのb 言語はトスカナ語とは違う言語であり、しかもジェノヴァの言語は書き言葉を持たなかったからである。
コロンブスが生きていた時代には「国語」は成立しておらず、多言語使用が普通であった。ところがスペインでは、他のヨーロッパ諸国に先駆けて「国語」が成立し、書き言葉として確立しつつあった。そしてスペインの影響を受けたポルトガルの上流階級では、スペイン語で書くことがはやっていた。c 彼は、スペイン王室に航海の支援を求める前に、ポルトガル王室に支援を求めていた。そのためにポルトガルに10年ほど滞在し、そこでスペイン語の読み書きを覚えたのである。
下線部bに関連して、言語と作品に関して述べた文として誤っているものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2023年度)本試験 問28(世界史B(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
コロンブスはイタリアのジェノヴァ人であるという説が現在では定説になっている。しかし19世紀には、彼は「スペイン人」であるという説があった。この説の提唱者たちは、コロンブスがほとんどの文書をスペイン語で書いていたことを根拠に、彼が「スペイン人」だと思い込んでいたのである。
それではなぜ、コロンブスは「イタリア語」で書かなかったのか。現在のイタリア語はトスカナ語が基になっているが、彼が生まれ育ったジェノヴァのb 言語はトスカナ語とは違う言語であり、しかもジェノヴァの言語は書き言葉を持たなかったからである。
コロンブスが生きていた時代には「国語」は成立しておらず、多言語使用が普通であった。ところがスペインでは、他のヨーロッパ諸国に先駆けて「国語」が成立し、書き言葉として確立しつつあった。そしてスペインの影響を受けたポルトガルの上流階級では、スペイン語で書くことがはやっていた。c 彼は、スペイン王室に航海の支援を求める前に、ポルトガル王室に支援を求めていた。そのためにポルトガルに10年ほど滞在し、そこでスペイン語の読み書きを覚えたのである。
下線部bに関連して、言語と作品に関して述べた文として誤っているものを、次のうちから一つ選べ。
- ルターが、『新約聖書』をフランス語に翻訳した。
- ダンテが、『神曲』をトスカナ語(トスカナ地方の口語)で著した。
- プルタルコスが、『対比列伝』をギリシア語で著した。
- カエサルが、『ガリア戦記』をラテン語で著した。
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