大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2023年度)本試験
問30 (世界史B(第4問) 問6)
問題文
コロンブスはイタリアのジェノヴァ人であるという説が現在では定説になっている。しかし19世紀には、彼は「スペイン人」であるという説があった。この説の提唱者たちは、コロンブスがほとんどの文書をスペイン語で書いていたことを根拠に、彼が「スペイン人」だと思い込んでいたのである。
それではなぜ、コロンブスは「イタリア語」で書かなかったのか。現在のイタリア語はトスカナ語が基になっているが、彼が生まれ育ったジェノヴァのb 言語はトスカナ語とは違う言語であり、しかもジェノヴァの言語は書き言葉を持たなかったからである。
コロンブスが生きていた時代には「国語」は成立しておらず、多言語使用が普通であった。ところがスペインでは、他のヨーロッパ諸国に先駆けて「国語」が成立し、書き言葉として確立しつつあった。そしてスペインの影響を受けたポルトガルの上流階級では、スペイン語で書くことがはやっていた。c 彼は、スペイン王室に航海の支援を求める前に、ポルトガル王室に支援を求めていた。そのためにポルトガルに10年ほど滞在し、そこでスペイン語の読み書きを覚えたのである。
「コロンブスはスペイン人である」という説は、ある思い込みに基づく誤った説である。前の文章から読み取れる思い込みの内容あ・いと、その思い込みの背景にある価値観として最も適当なものX・Yとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
前の文章から読み取れる思い込みの内容
あ スペイン語で書く者はスペイン人である。
い ジェノヴァはスペインの支配下にあった。
価値観
X 国家は同一の言語・文化を共有する均質な国民によって構成されるべきだという国民国家の価値観
Y 列強は支配地域の拡大を目指して世界を分割すべきだという帝国主義の価値観
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2023年度)本試験 問30(世界史B(第4問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
コロンブスはイタリアのジェノヴァ人であるという説が現在では定説になっている。しかし19世紀には、彼は「スペイン人」であるという説があった。この説の提唱者たちは、コロンブスがほとんどの文書をスペイン語で書いていたことを根拠に、彼が「スペイン人」だと思い込んでいたのである。
それではなぜ、コロンブスは「イタリア語」で書かなかったのか。現在のイタリア語はトスカナ語が基になっているが、彼が生まれ育ったジェノヴァのb 言語はトスカナ語とは違う言語であり、しかもジェノヴァの言語は書き言葉を持たなかったからである。
コロンブスが生きていた時代には「国語」は成立しておらず、多言語使用が普通であった。ところがスペインでは、他のヨーロッパ諸国に先駆けて「国語」が成立し、書き言葉として確立しつつあった。そしてスペインの影響を受けたポルトガルの上流階級では、スペイン語で書くことがはやっていた。c 彼は、スペイン王室に航海の支援を求める前に、ポルトガル王室に支援を求めていた。そのためにポルトガルに10年ほど滞在し、そこでスペイン語の読み書きを覚えたのである。
「コロンブスはスペイン人である」という説は、ある思い込みに基づく誤った説である。前の文章から読み取れる思い込みの内容あ・いと、その思い込みの背景にある価値観として最も適当なものX・Yとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
前の文章から読み取れる思い込みの内容
あ スペイン語で書く者はスペイン人である。
い ジェノヴァはスペインの支配下にあった。
価値観
X 国家は同一の言語・文化を共有する均質な国民によって構成されるべきだという国民国家の価値観
Y 列強は支配地域の拡大を目指して世界を分割すべきだという帝国主義の価値観
- あ ― X
- あ ― Y
- い ― X
- い ― Y
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