大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2023年度)本試験
問33 (世界史B(第4問) 問9)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2023年度)本試験 問33(世界史B(第4問) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の様々な言語や文字と、それを用いた人々の文化やアイデンティティについて述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

あるクラスで、書道の授業が行われている。

先生:ここで課題とする作品は、顔真卿の「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」です。これは、( イ )で死んだ甥の遺霊に顔真卿が捧げた文の草稿です。
神本:( イ )は世界史の授業で学びました。作品に見える「逆賊」は、安禄山を指しているのでしょうか。
先生:そのとおりです。
杉田:顔真卿と言えば、私は以前学んだ堂々とした楷書が好きです。唐代の初めの整った書風とは全然違う印象を持っていますが、顔真卿が活躍した頃は、文化が大きく変化する時期だったのでしょうか。
先生:良いところに気が付きましたね。8世紀後半の生まれで、( ウ )を推奨した韓愈は、王羲之の書を、表面的な美しさを追い求めた「俗書」だと批判しています。
杉田:文学と芸術の主張がリンクしているのですね。
先生:そうです。また、宋代に入ってからは、欧陽脩が顔真卿の楷書を人物の反映として高く評価し、蘇軾も顔真卿の書を力強く画期的なものとして書道史に位置づけました。このように顔真卿の書の書きぶりやその評価の有り様をたどっていくと、( エ )という、唐代後半期から宋代にかけての文化の流れをうかがい知ることができますね。
福村:この作品にはたくさんの印が押されていますが、これらは一体何ですか。
先生:これらの印は、この作品を持っていた人や鑑賞した人が押したもので、ひときわ大きな印は清の乾隆帝のものです。
福村:清の皇帝は確か漢人ではありませんでしたが、書道にも関心を持っていたのですね。
先生:そうです。乾隆帝は自らも書を嗜(たしな)み、数多くの名品を集めました。乾隆帝はさらにそれらを書道全集にして出版してもいます。このような皇帝による文化事業は、中国の伝統的な書道文化が長く保持された一因と言えるでしょう。

福村さんは授業の後に、世界史で学んだことを踏まえてメモ1・2を作成した。前の文章を参考にしつつ、メモ1・2の正誤について述べた文として最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

メモ1
書道文化へ積極的に関与した乾隆帝は、漢人に対して自由な言論活動を認め、中国の伝統文化を保護した。

メモ2
清の皇帝による中国の伝統文化に対する政策は、北魏の孝文帝により自文化を維持しつつ進められた漢化政策に通じる。
問題文の画像
  • メモ1のみ正しい。
  • メモ2のみ正しい。
  • 二つとも正しい。
  • 二つとも誤っている。

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