大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問56 (日本史B(第5問) 問2)
問題文
発表原稿
〈洋服の始まり〉
1858(安政5)年に締結された条約に基づき、その翌年には横浜・長崎・( ア )で欧米諸国との貿易が始まった。a 日本と欧米諸国の貿易が進展するに伴い、西洋文明の生活様式も徐々に日本社会へ浸透していった。
例えば、永井荷風は『洋服論』のなかで「日本人そもそも洋服の着始めは旧幕府仏蘭西(フランス)式歩兵の制服にやあらん」と指摘しており、明治時代になると洋服を着る習慣は、( イ )から次第に広まった。
〈銀行の始まり〉
明治新政府が樹立されると、生活様式だけでなく、様々な社会制度も西洋文明を模範として再編されていった。
例えば、貨幣制度の整備は政府の重要課題であったため、1872(明治5)年にアメリカの制度を参考にしてb 国立銀行条例が定められ、翌年に第一国立銀行が発足した。
もっとも、江戸時代にも三貨の両替や為替の発行を業務とする商人は存在しており、日本の銀行が西洋文明の影響だけを受けて登場したわけではない。c 明治時代に新たに登場した生活様式や社会制度、文化活動のなかには、西洋文明の影響を受けつつ、同時に日本の伝統を引き継いでいるものがいくつも存在する。
下線部aに関連して、ハジメさんは1865年と1867年における日本の輸入総額と主な輸入品の割合を調べ、次のグラフ1・2を作成した。これらのグラフに関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X グラフ1とグラフ2からは、艦船や小銃などの武器類の輸入額が増えたことが確認でき、幕末期の日本で西洋式軍備の需要が高まっていたことが分かる。
Y グラフ1からグラフ2へと輸入総額が変化した背景には、欧米諸国の要求により関税率が引き上げられたことがある。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問56(日本史B(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
発表原稿
〈洋服の始まり〉
1858(安政5)年に締結された条約に基づき、その翌年には横浜・長崎・( ア )で欧米諸国との貿易が始まった。a 日本と欧米諸国の貿易が進展するに伴い、西洋文明の生活様式も徐々に日本社会へ浸透していった。
例えば、永井荷風は『洋服論』のなかで「日本人そもそも洋服の着始めは旧幕府仏蘭西(フランス)式歩兵の制服にやあらん」と指摘しており、明治時代になると洋服を着る習慣は、( イ )から次第に広まった。
〈銀行の始まり〉
明治新政府が樹立されると、生活様式だけでなく、様々な社会制度も西洋文明を模範として再編されていった。
例えば、貨幣制度の整備は政府の重要課題であったため、1872(明治5)年にアメリカの制度を参考にしてb 国立銀行条例が定められ、翌年に第一国立銀行が発足した。
もっとも、江戸時代にも三貨の両替や為替の発行を業務とする商人は存在しており、日本の銀行が西洋文明の影響だけを受けて登場したわけではない。c 明治時代に新たに登場した生活様式や社会制度、文化活動のなかには、西洋文明の影響を受けつつ、同時に日本の伝統を引き継いでいるものがいくつも存在する。
下線部aに関連して、ハジメさんは1865年と1867年における日本の輸入総額と主な輸入品の割合を調べ、次のグラフ1・2を作成した。これらのグラフに関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X グラフ1とグラフ2からは、艦船や小銃などの武器類の輸入額が増えたことが確認でき、幕末期の日本で西洋式軍備の需要が高まっていたことが分かる。
Y グラフ1からグラフ2へと輸入総額が変化した背景には、欧米諸国の要求により関税率が引き上げられたことがある。

- X:正 Y:正
- X:正 Y:誤
- X:誤 Y:正
- X:誤 Y:誤
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この過去問の解説 (1件)
01
正しい組合せは、「X:正 Y:誤」 です。
【各文の検討】
X:正
グラフを比べると、1865年→1867年にかけて武器類(小銃など)と艦船の輸入額・比率がいずれも増加しています。
これは倒幕・戊辰戦争を目前にした諸藩や幕府が、西洋式軍備を急いだ動きを裏づけます。
・小銃など武器類:7.04% → 13.28%
・艦船:6.27% → 7.83%
・輸入総額:約1.5千万ドル → 約2.2千万ドル
Y:誤
輸入総額の増大は1866年の改税約書で関税が一律5%の低税率に引き下げられたことが主因であり、欧米の要求による「引き上げ」ではありません。
誤りです。
正しい組み合わせです。
誤りです。
誤りです。
・武器・艦船の輸入増=戊辰戦争直前の軍備需要の反映
・輸入総額増加の背景=関税引き下げと低税率固定、為替差益など
以上より、正しい組合せは 「X:正 Y:誤」 となります。
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