大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問95 (地理B(第5問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問95(地理B(第5問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

東京都に住むアキラさんは、大都市圏郊外の変化に関心をもち、入間(いるま)市を含む埼玉県南西部で地域調査を行った。この地域調査に関する次の問いに答えよ。

最後に、アキラさんは、大都市圏郊外の将来について考えるため、次の図5と図6を作成した。図5は、入間市における1965年から2015年の人口と、2020年から2040年までの推計人口を5年ごとに示したものである。また、図6は、1995年と2015年における入間市の年齢別人口構成を示したものである。図5と図6から、この地域で今後生じると予想される問題と、それを食い止める自治体の対策としては適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 予想される問題:空き家の増加
    問題を食い止める自治体の対策:家主と入居希望者のマッチング事業を展開する
  • 予想される問題:高齢者医療体制のひっ迫
    問題を食い止める自治体の対策:近隣地域の病院と連携して医療体制を構築する
  • 予想される問題:地域コミュニティの衰退
    問題を食い止める自治体の対策:生涯学習と福祉の機能を複合した施設を整備する
  • 予想される問題:年少人口の減少
    問題を食い止める自治体の対策:小規模な公園を撤去して防災拠点を整備する

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は予想される問題自治体がその問題を対策する方法の妥当性を考える必要があります。

まず図5と図6の内容を確認していきましょう。

図5からは、入間市の人口が2015年から減少に転じ、今後さらに減少が進んでいくことが予想できます。図6では、1995年から2015年にかけて高齢者人口の割合が大きく増加しており、少子高齢化が進行していることが確認できます。これらのことから、今後この地域では、人口減少に伴う空き家の増加や年少人口の減少、高齢化に伴う医療体制の圧迫、地域コミュニティの衰退といった問題が予想できます。今回の問題の選択肢では、上記4つの予想される問題が書かれており、全て適切な内容です。

以下、問題と対策が妥当かどうか1つずつ確認していきましょう。

選択肢1. 予想される問題:空き家の増加
問題を食い止める自治体の対策:家主と入居希望者のマッチング事業を展開する

妥当な対策です。

人口減少により空き家は増加すると考えられるため、家主と入居希望者をつなぐ仕組みは空き家活用に効果的です。

選択肢2. 予想される問題:高齢者医療体制のひっ迫
問題を食い止める自治体の対策:近隣地域の病院と連携して医療体制を構築する

妥当な対策です。

高齢化が進むと医療需要が増加するため、自治体単独での対応には限界があります。近隣地域の病院との連携は、医療体制の強化に有効です。

選択肢3. 予想される問題:地域コミュニティの衰退
問題を食い止める自治体の対策:生涯学習と福祉の機能を複合した施設を整備する

妥当な対策です。

人口減少や高齢化が進む中、交流の場を確保することは地域コミュニティ維持に有効です。生涯学習や福祉を組み合わせた施設は、幅広い世代の交流を促し、心と身体の健康を保つ場となるでしょう。

選択肢4. 予想される問題:年少人口の減少
問題を食い止める自治体の対策:小規模な公園を撤去して防災拠点を整備する

不適切な対策です。

年少人口の減少に対応するには、子育て世代が住みやすい環境づくりが重要です。公園を撤去することは子育て環境を悪化させ、子育て世代がその地域を居住地として選択しなくなる可能性があります。それにより、人口減少をさらに加速させる可能性があり、自治体の年少人口の減少問題に対する適切な対策とは言えません。

まとめ

以上のことから、選択肢1~3は妥当な対策ですが、選択肢4は問題の解決につながらないため不適切です。したがって、年少人口の減少に対して小規模な公園を撤去して防災拠点を整備するがこの問題の正しい選択肢となります。

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