大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問35 (第4問(漢文) 問9)
問題文
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
【詩】と【序文】から読み取れる筆者の心情の説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問35(第4問(漢文) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
【詩】と【序文】から読み取れる筆者の心情の説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

- 毎年花が散り季節が過ぎゆくことにはかなさを感じ、董思翁の家や瓜爾佳氏の園に現れた美しい蝶(ちょう)が扇や絵とともに他人のものとなったことをむなしく思っている。
- 扇から抜け出し庭園に現れた不思議な蝶の美しさに感動し、いずれは箱のなかにとらえて絵に描きたいと考えていたが、それもかなわぬ夢となってしまったことを残念に思っている。
- 春の庭園の美しさを詩にできたことに満足するとともに、董思翁の夢を扇に描き、珍しい蝶の模様をあしらった服ができあがったことを喜んでいる。
- 不思議な蝶のいる夢のように美しい庭園に住んでいたが、都を離れているあいだに人に奪われてしまい、厳しい現実と美しい夢のような世界との違いを嘆いている。
- 時として庭園に現れる珍しい蝶は、捕まえようとしても捕まえられない不思議な蝶であったが、その蝶が現れた庭園で過ごしたことを懐かしく思い出している。
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題を解答するポイントは以下の点です。
①最も適当なもの=「筆者の意図に沿っているもの」を選ぶこと。
董思翁の家に蝶が現れたとは書かれていません。
また、瓜爾佳氏の園に現れた蝶は箱に入れたつもりが消えてしまったため本文と一致せず、不適当です。
箱のなかにとらえようとした目的は絵を描くためでなく、阮元の園に持っていこうとしたためなので、不適当です。
本文の内容と相違がなく、正しくまとめられています。
「都を離れているあいだに人に奪われ」たわけではなく、任期が終わって去ることになったので、不適当です。
「捕まえようとしても捕まえられない不思議な蝶」ではなく、名前を言い当てると扇の中に入ったため、不適当です。
最初に提示したとおり、この問題を解答するポイントは以下の点です。
①最も適当なもの=「筆者の意図に沿っているもの」を選ぶこと。
→選択肢を選定する際、勝手な行間の読み過ぎが邪魔になることが多々発生します。
・選択肢の文章と問題の本文が示す言葉にずれがないか。
・書かれていない背景を作問者が拡大解釈のもとで示していないか。
上記に注意し、選択肢のおかしいと思った箇所に印をつけると検討しやすく、見直しもやりやすくなります。
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