大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問57 (倫理(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問57(倫理(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生Fが倫理の授業で行った次の発表と、それを受けて高校生Gと交わした議論を読み、後の問いに答えよ。なお、議論と問いのFとGは各々全て同じ人物である。

発表「高齢者の孤立」
少子化と高齢化と過疎化が進み、一人暮らしの高齢者が増えています。行政や施設だけでなくa 社会全体で支える必要があります。私は、孤立する人を出さないことが重要だと思います。「ひきこもり」はb 若者の問題に留(とど)まらず、中高年の間でも増加しています。衛生・健康・金銭の管理ができず、支援を拒否して孤立する人もいます。自宅で一人きりで亡くなり、何日も発見されない人は、年間で約万人も出ています。孤立する人を放置するのは、c 人間の尊厳を顧みない冷たい社会ではないでしょうか。生産人口の減少とともに福祉を担う人も不足しています。介護ロボットやd 情報通信技術を活用した独居高齢者の見守りの仕方も開発しなければなりません。私は将来、そのような研究をしたいと考えています。

G:発表を聞いて孤立の深刻さが分かりました。でも支援を拒否する人の中には、一人でいることが好きな人もいるんじゃないでしょうか。倫理の教科書にも、e 孤高に思考せよと言う思想家が出ていたような気がしますね。
F:そうでしたか。具体的な名前は、今思い浮かびませんけど…。支援を拒否する人についてですが、中には遠慮する人や強がりを言う人もいます。一人でいたいという人もf 人間関係で問題を抱えている可能性があると思うんです。
G:そう決めつけるのはどうでしょうか。私の祖父はg 自然豊かな山村でほぼ自給自足で暮らしていて、一緒に住もうって言うと一人の方が気兼ねしないと言います。h 年配の人たちの一人暮らしの意味も色々だと思うんです。
F:でも、地域社会の人口が減少していて、体を壊したら孤立無援という人もいるでしょう。誰もが健康で文化的な生活を送れるようにしないと。
G:もし私が高齢者だったら、そんなの余計なお世話だと思うでしょうね。

下線部cに関連して、次のア~ウは、生命倫理における生命の尊厳や患者の意思の尊重に関わる考え方についての説明である。その内容として正しいものをア~ウから全て選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  SOLは、生命が絶対的な価値と尊厳を有するという立場と関連し、終末期医療において、患者の回復の見込みがなくても生命を維持する治療を行う根拠と見なされている。
イ  パターナリズムは、患者が十分な説明を受けて、理解した上で治療の方針や方法に同意することを指し、患者の知る権利や、生命や身体に関する自己決定権を尊重する立場を背景とする。
ウ  QOLは、望ましい生き方や生命の質を重視する立場と関連し、終末期医療の治療選択の場面では、患者の意思を尊重する根拠となり得るが、質が低いとされる生命の軽視につながるという批判もある。
  • アとイ
  • アとウ
  • イとウ
  • アとイとウ

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