看護師の過去問
第103回
午前 問81
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問題
看護師国家試験 第103回 午前 問81 (訂正依頼・報告はこちら)
慢性腎臓病(chronic kidney disease)の説明で正しいのはどれか。
- 糖尿病腎症(diabetic nephropathy)は含まれない。
- 病期分類の5期から蛋白制限が必要である。
- 腎障害を示す所見が1週間持続すれば診断できる。
- 糸球体濾過量〈GFR〉の低下は診断の必要条件である。
- 病期の進行とともに心血管疾患のリスクも高くなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
慢性腎臓病は、元々の疾患が何であるかにかかわらず、
①尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである(特にたんぱく尿が出ている)
②糸球体濾過量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満である
の2つの所見のうちのいずれか、または両方が3カ月以上続いた場合に診断されます。
1.糖尿病腎症は糖尿病の合併症の一つです。慢性腎臓病(CKD)は、元々の疾患が何であるかに関わらず、慢性的に経過する全ての腎臓病を指すため、糖尿病腎症も含まれます。
2.慢性腎臓病のステージは0~5まであります。0はハイリスク群、5は腎不全・透析期です。全てのステージで禁煙が推奨されています。そして肥満の防止が挙げられます。食生活に関しては塩分制限が挙げられます。塩分の制限量はステージによって異なります。さらにたんぱく質の制限もステージ3~5のときに行われます。
3.上記にあるように、腎障害を示す所見が3カ月持続すれば診断されます。
4.上記にあるように、2つの所見のうちいずれかが持続した場合に診断されます。糸球体濾過量の低下が必要条件ではありません。
5.近年、慢性腎臓病があると脳卒中、心筋梗塞の発症率が男女とも高くなることがわかってきています。
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02
腎臓病の進行とともに、心疾患に合併しやすくなります。
1 慢性腎臓病には、とても多くの種類の病気があります。糖尿病腎症は、慢性腎臓病のひとつです。その他に、慢性糸球体腎炎・腎硬化症・多発性嚢胞腎などがあります。ゆっくり静かに進行し、病状が末期に近くなるまで自覚症状が出ないことが特徴です。
2 蛋白質の摂り過ぎは、腎臓に負担をかけ、慢性腎臓病を悪化させます。ステージは関係なく、慢性腎臓病と診断されたら、蛋白制限が必要です。
3 慢性腎臓病の診断基準は、次の2つの所見のうちのいずれか、または両方が3カ月以上続いた場合です。
①尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである(特に、0.15g/gcr以上のたんぱく尿が出ている)
②糸球体ろ過量(GFR)が60mL/分/1.73m2未満である
4 上記の診断基準から、糸球体ろ過量の低下が3ヶ月以上見られれば、慢性腎臓病と診断されます。糸球体ろ過量の低下のみでは、必要条件にはなりません。
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03
1.尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである
2.糸球体濾過量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満である
1 糖尿病腎症など、障害の種類にかかわらず腎障害の発現がみられる場合は、上記のCKD定義の「1」にあてはまります。したがって、1は不正解です。
2 たんぱく制限は、ステージに関わらず必要です。腎臓への負荷がかかる食生活は制限するよう指導が必要となりますので、2は不正解です。
3 CKDは、上記の所見1または2が3ヶ月以上継続した場合に診断されます。3は不正解です。
4 GFRの低下が3ヶ月以上見られれば、CKDの診断となりますが、必要条件ではありません。4は不正解です。
5 CKDのステージが上がるほど、心血管系のイベントの頻度は高くなります。5は正解です。
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