看護師の過去問
第103回
午前 問92

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問92 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間にAさんの家族に伴われて救急外来を受診した。Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作(bronchial asthma)と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。

入院後も呼吸困難や頻呼吸、呼吸性アシドーシスの改善が認められないため、鼻と口を覆うタイプのマスクを用いた非侵襲的陽圧換気を行うことになった。
Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。
  • 「話すことができなくなります」
  • 「機械に合わせて呼吸してください」
  • 「自分でマスクの位置を調整しても問題ありません」
  • 「空気の圧力がかかるので息が吐きにくくなります」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

非侵襲的陽圧喚起法は、マスクを用いて気道内圧を陽圧に保ちつつ,肺胞換気を補助する治療です。

1 マスクを用いる治療なので、話すことに支障はありません。

2 Aさんの呼吸状態に合わせて、機械が設定をし、呼吸を合わせています。

3 マスクの位置がずれると、空気漏れなどが生じるため、自分でマスクの位置は調節してはいけません。

4 機械を用いて、気道内圧に陽圧をかけるため、息は吐きにくくなります。

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02

非侵襲的陽圧換気とは、鼻マスクやフェイスマスクなどを用い、気道内挿管や気管切開など侵襲的な処置を行わずに陽圧換気を行う方法です。マスク装着のみで一定の圧力や決められた量の空気を肺に送る人工呼吸器です。①呼吸努力(呼吸仕事量)を減少させること、②酸素化能を改善させること、③ガス交換を改善させること、などを目的として行われます。鼻マスク、鼻口マスク、フルフェイスマスク、ヘルメット型マスクなどの種類があります。Aさんが装着するのは鼻口マスクです。鼻マスクより空気漏れが少なく、より効果的な陽圧換気が可能になるメリットがあります。
1.鼻口マスクを装着している間は会話や食事ができませんが、外せば可能です。外すことも可能です。
2.Aさんが機械に合わせるのではなく、機械がAさんに合わせる必要があります。具体的には設定を変更する必要があります。
3.空気漏れが少なくなる位置にマスクを装着しているため、自分でマスクの位置を変更してはいけません。
4.マスク(機械)から強い圧で空気が送られるため、圧迫感や閉塞感があり、不快感を感じる人が多いようです。意識がある患者が適応となるため、患者の協力が不可欠となります。

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03

非侵襲的陽圧換気とは、気管挿管や気管切開をせずマスク装着だけで、一定の圧力や決められた量の空気を肺に送る人工呼吸器です。

1 マスク装着のみなので、会話や食事は問題なく行うことができます。1は不正解です。
2 圧力の調整を機械で行うことで肺の動きを調整し、溜まった炭酸ガスの排出を促します。患者の呼吸状態によって機械の操作設定をし、吸気圧と呼気圧の差分だけ換気を機械的に補助するため、機械に合わせてAさんが呼吸を行うというよりは機械がAさんの呼吸の補助を行うかたちとなります。2は不正解です。
3 マスクが顔面と密着していることで、適切な圧力を調整することができます。マスクの位置は自分で動かさないように指導することが必要です。3は不正解です。
4 陽圧換気であり、装着したマスクで陽圧をかけるため、息は吐きにくくなります。4が正解です。

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