看護師の過去問
第103回
午前 問91
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問題
看護師国家試験 第103回 午前 問91 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間にAさんの家族に伴われて救急外来を受診した。Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作(bronchial asthma)と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。
入院後Aさんは呼吸困難が増悪し、発汗が著明であった。入院時の看護として最も適切なのはどれか。
Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間にAさんの家族に伴われて救急外来を受診した。Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作(bronchial asthma)と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。
入院後Aさんは呼吸困難が増悪し、発汗が著明であった。入院時の看護として最も適切なのはどれか。
- 全身清拭を行う。
- セミファウラー位とする。
- 鎮静薬の処方を医師に相談する。
- 口をすぼめてゆっくりと息を吐くように指導する。
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この過去問の解説 (3件)
01
気管支喘息は、急に空気の通り道となる気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
口すぼめ呼吸は、息を吸ってすぼめた口から吐き出す呼吸方法です。すぼめた口から息を吐き出すと、気管支を広げることができ、苦しさが軽減できます。
1 呼吸困難の症状が出ています。発汗はありますが、全身清拭よりも安静を優先したほうが良いです。
2 呼吸困難時は、座位もしくはファーラー位にします。状態を起こすことにより、肺全体の呼吸面積が広がり、呼吸苦が軽減するためです。
3 鎮静剤は、呼吸抑制や呼吸停止に繋がるため、使用すべきではないです。
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02
1.呼吸困難が強いときに発汗が著明だからと全身清拭をする必要はありません。
2.セミファーラー位は20°ぐらいギャッジアップする体位です。呼吸困難の強い人は自然と起き上がって呼吸をするようになります。これを起坐呼吸といいます。座位になると、横隔膜が下がり、臥位の状態での腹部臓器による横隔膜への圧迫が避けられるからです。その結果、呼吸面積が広がり、肺の伸展が容易になります。セミファーラー位というよりは、もう少し頭を高くした、ファーラー位、もしくは座位にすると良いでしょう。
3.全ての鎮静薬は呼吸及び循環動態に影響を及ぼします。呼吸抑制(呼吸数の減少・停止)などが起こるため、気管支喘息の患者には用いません。
4.気管支喘息では気道閉塞が生じるため、うまく息を吐くことができない、という状態になります。そのため、口をすぼめてゆっくり息を吐くようにすると良いでしょう。まず呼吸困難を取り除く必要があります。
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03
以下、他の選択肢が不正解である理由です。↓
1 呼吸困難が増悪している状態で、全身清掃を行うことは優先事項ではありません。
2 気管支喘息で呼吸困難が発現しているときは、横隔膜を下げて呼吸面積を広げるために起坐位やファウラー位をとるほうが、より有効です。
3 鎮静薬では、呼吸抑制を起こすリスクがあるため、適切ではありません。
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