看護師の過去問
第103回
午後 問199

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問199 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。
担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。
  • 日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。
  • 文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。
  • Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。
  • 文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.×
 患者の生活背景なども考慮し、文化的制限についても検討するべきなので不適切です。外国人に関わらず、日本人であっても宗教上の理由で食べられないものなどがある場合は配慮するべきです。
2.×
 治療に対する考え方は国の文化によっても違いますし、同じ民族・文化であっても各個人で違いがあります。文化的制限も考慮しながら折り合いをつけたり、優先順位などを決めていくべきです。
3.×
 安易に差し入れを推奨するのは好ましくありません。栄養面のケアを病院側が放棄することになります。また、差し入れについては衛生面などにも注意が必要です。病院側で用意が難しい食材などについては差し入れてもらうのも良いかもしれませんが、十分な検討が必要です。
4.〇
 食事の個別的な配慮・調整については看護師だけでは判断や決定が難しいため、栄養課とも相談していくことが適切です。

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02

1 . 日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す→文化的制限にも配慮はすべきであるため、誤りとなります。

2 . 文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す→治療は必要ですが、文化的制限に配慮した治療を行うことが最優先と考えられるため、誤りとなります。

3 . Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す→ネフローゼ症候群では食事制限が必要となります。食事制限がある患者には、食事内容が症状に影響を与える可能性があるため、基本的に差し入れの食事は禁止されています。よって誤りとなります。

4 . 文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す→正しいです。

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03

正解は 4 です

疾病の治療を行う際、治療方針に従っていただく必要はありますが、その治療方針の決定にはまず患者本人の価値観や宗教観を重視し、すりあわせていく必要があります。
もちろん文化的制限もそのひとつであり、患者本人の意思を無視して治療を行うのは医療の押し付けにもあたり、過誤ともいえます。

1:×
確かに日本の病院のため、院内は日本文化を基準にして考えられていますが、だからといって、他の海外文化を否定する必要はなく、またその院内方針を単独で決定する権限は看護師長にはありません。
まずは院内食を取り仕切る部門に確認を提案すべきです。

2:×
治療が優先されるのは当然のことですが、それと同時に患者本人の価値観や文化的背景も優先されるべきです。そうでなければ、治療に対しての患者の協力も得られません。
もしも、文化的背景と治療内容が競合する場合は、患者に対して発生するリスクも説明した上で同意を得ながら治療を行います。

3:×
Aさんの友人はたしかに文化的背景については熟知しているでしょうが、あくまで一般人であり、治療食に精通しているわけではありません。

ネフローゼ症候群の場合はタンパク質や塩分の制限、水分量や電解質の調整など食事上注意すべき点が様々あります。
患者の文化的背景を無視することはできませんが、治療上必要な事柄を無視することもまた不適切です。

4:○
看護師の職務の中には他職種との連携や調整も含まれます。
各選択肢の解説内容を踏まえた上で、院内の食事についての一切を取り仕切る管理栄養部へ相談し、患者に提供される食事について対策を講じてもらい、またさらに必要となれば、それ以外の部署に話を持っていく必要も出てくるかもしれません。

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