正解は 2 です
基本的には診断を下すのは医師の仕事ですが、「この病気の場合はこういう所見になる」という基本的な部分は覚えておいて損はないでしょう。
特にX線で正常部との違いが顕著に見られる整形、肺疾患、腸疾患、あるいはMRIによる脳血管や心臓周辺など、患者の身体のどの部分に影響があるか(例えば疼痛が出現する場所や聴診すべき部位など)が自分でも容易に判断できれば、日々の看護に存分に活かすことができます。
1:×
胆石症の場合の診断は、CTや聴音波検査、MRIによる胆嚢壁や石の観察が主なため、レントゲンで確定診断が下ることはありません。
検査のひとつとして行うとしても、他の疾病との切り分けのためでしょう。
2:○
この画像は胸部から下の、臍のあたりを中心とした画像であることが分かります。
この写真を正常な人の画像と比べた場合、中央に蛇のようにとぐろを巻いている部分があること、そして左肺の下あたりに風船のように膨らんだ部分があるのが分かると思います。
よく目を凝らすと、その風船の中の下半分は何かが入ってそうな様子で薄く色がついており、上半分は肺と変わらないような色をしていることに気が付けるでしょうか。
この内部に明らかに消化物などの液体(下の色のついた部分)と空気(肺と同じ色の部分)に分かれているのがはっきりと分かる現象を”ニボー”といい、イレウス(腸閉塞)特有の所見です。
そして、中央の蛇のとぐろのような部分が腸管が膨張していることを象徴しています。
この特徴的なニボー像と腸管の膨張からも、この画像がイレウス患者のものである可能性が高いことを示唆しています。
3:×
潰瘍性大腸炎は、大腸内の粘膜に炎症を生じ、その一部に潰瘍やびらんが発生する病気です。
診断は単なるX線ではなく、腸管内に造影剤を注入した注腸X線検査や大腸内の内視鏡、便潜血検査などが主になります。
この画像はどう見ても造影を行なっているようには見えないため、この選択肢は誤りです。
4:×
十二指腸潰瘍も、潰瘍性大腸炎と同じく内視鏡やバリウムを服用してのX線撮影が主な検査内容となります。
バリウムを飲んでいる場合はもう少し腸管が濃い白色で映るため、この選択肢も誤りです。