看護師の過去問
第104回
午前 問100

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、
長男夫婦が自宅で介護している。

現在のAさんのAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)の状態で最も適切なのはどれか。
  • 視線を動かすことができる。
  • 車椅子を操作することができる。
  • 季節に合わせて服を選ぶことができる。
  • Mini-Mental State Examination〈MMSE〉20点である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正解です。アルツハイマー病は認知機能の低下がみられますが、視線を動かす機能は保たれています。

2.誤りです。アルツハイマー病患者は、計画を立て順番通りに作業をこなす遂行機能が低下します。車椅子のストッパーを解除し、車椅子を発進させるなどの動作は困難となる可能性があります。

3.誤りです。アルツハイマー患者は、時間や日時などを正しく認知できない見当識障害がみられます。季節も正しく認知することができず、適切な衣服を選択することが困難となる可能性があります。

4.誤りです。MMSE(認知症スクリーニング検査)では、23/30点以下で認知症の疑いありの判定となり、10/30点以下で重度の認知機能低下の判定となります。患者は重度の認知機能低下がみられており、MMSEは20点よりも低いことが考えられます。

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02

答えは1です。

「アルツハイマー病」とは
脳が委縮していくことにより認知機能、思考能力が低下し、最終的には日常生活を送ることも困難になる不可逆的で進行性の脳疾患です。

1.アルツハイマー病が眼球の運動を抑制することはありません。重度の認知機能の低下はありますが、眼球を動かすことは可能だと考えられます。

「要介護4」とは
身だしなみを整えること、部屋の掃除、トイレ排泄を自分で行うことが困難です。
立ち上がり動作、立位保持、歩行がひとりで行えず介助が必要です。
不安行動や認知機能の低下があります。

Aさんは2.車椅子の操作、3.季節に合わせた服を選ぶこと、が困難だと考えられます。

「MMSE」とは
国際的に最も広く使用されている認知機能のスクリーニング検査です。
30点満点中23点以下で認知症の疑い、10点以下で重度の認知障害があると判定されます。

4.Aさんは重度の認知機能低下があるため、20点より低いと考えられます。

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03

正解は1です。

1.正解。視覚機能、聴覚機能に影響は無いため、外部からの刺激に反応して視線を動かすことは可能です。

2.誤り。重度の認知力低下があることから車椅子の操作方法を理解して、使用することは困難であると考えられます。

3.誤り。季節に応じた服の選択や着用動作は困難であると考えられます。

4.誤り。MMSEは30点満点の認知機能検査であり、時間や場所の見当識や計算、書字、文章の復唱などの11項目から判断する検査です。結果は点数ごとに21点以上は軽度、11〜20点は中等度、1〜10点は重度と判断します。A氏は重度の認知機能低下があることから、中等度以上〜重度の状態であると考えられます。

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