看護師の過去問
第104回
午前 問99

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全(heart failure)のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。

入院後5日。Aさんの症状は改善し、明日退院する予定である。床頭台の隅に利尿薬が残っていたため看護師が質問すると、Aさんは「看護師さんから薬をもらうとすぐ飲んでいるよ」と話した。また、自分の病室を間違えることが数回あった。Aさんが在宅療養を継続するために、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として優先度が高いのはどれか。
  • 生活リズム
  • 食事の摂取量
  • 服薬管理の状況
  • 脱水症の治療内容

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤りです。入院中にせん妄状態となりましたが、退院後に自宅で生活するにあたって最優先で共有すべき情報ではないことが考えられます。

2.誤りです。患者の食事摂取状況を共有することは必要ですが、本設問において食事摂取について具体的な情報はなく、最優先で共有すべき情報ではないことが考えられます。

3.正解です。患者は利尿剤の内服を忘れていることがあり、体液過剰による心不全などを引き起こす恐れがあります。逆に過剰摂取することで脱水を引き起こす恐れもあります。今回の入院の原因が服薬管理不足であるとは断言できませんが、退院後の体調管理をする上で、服薬管理は最優先で行う必要があると考えられます。

4.誤りです。入院中の経過について共有する必要はありますが、最優先で共有すべき情報ではないことが考えられます。

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02

正解は3です。

A氏は独居であり、服薬管理はA氏自ら行っている状況です。
利尿薬の服薬を誤ると、心不全症状の悪化や脱水をきたす可能性があることから、入院中の状況について介護支援専門員と情報を共有し、在宅での必要な介入方法を検討していく必要があります。

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03

答えは3です。

この問題では「優先度の高いもの」を問われています。

1.入院中に譫妄があり、昼夜が逆転していました。生活リズムを整えるのは重要ですが、「最も優先度の高いもの」は薬剤管理になると考えられます。

2.入院5日間で退院となっているため、入院中の食事や水分の摂取は問題なかったと予想されます。水分摂取状況などは伝える必要がありますが、優先度は低いです。

3.入院中、薬の飲み忘れがあり本人の自覚がありません。利尿薬を内服中であり、飲み忘れや過剰摂取により、心不全の悪化や今回のような脱水症状を引き起こすおそれがあります。Aさんは独り暮らしで、家族に薬の管理を委ねることもできないため、服薬状況や、認知症状について介護支援専門員に伝える必要があります。
服薬管理についての情報が、最も優先度が高いと考えられます。

4.脱水症状は改善しているため、治療内容については優先度が低いと考えられます。

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