看護師の過去問
第104回
午前 問105

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問105 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。

Aちゃんの手術は無事終了した。翌日、Aちゃんは眼のガーゼと眼帯が外され、抗菌薬の点眼が始まり、退院が決まった。Aちゃんは眼を触らないように両上肢に肘関節抑制帯をつけている。母親は「手術が無事に終わってほっとしました」と話した。母親に対する退院後の留意点の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 「家でも点眼を続けてください」
  • 「家に帰ったら洗顔してもよいです」
  • 「眼脂が続いたら受診してください」
  • 「物が二重に見えることがあります」
  • 「家に帰ったら肘関節の固定は必要ありません」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「1,4」です。

1 . 〇
術後の感染を防止するため、退院後も自宅で抗菌薬の点眼をする必要があります。

2 . ×
感染の要因となるため、洗顔は医師の許可があるまで禁止です。

3 . ×
手術の影響から、眼脂が約1か月ほど続きます。出血や痛みなどの異常が生じた場合は受診をしてもらいます。

4 . 〇
視力が安定するまで約3か月ほどかかります。

5 . ×
眼を保護する必要があるため、帰宅後も肘関節の固定は必要となります。

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02

正解は 1・4 です

1:○
斜視の手術は術式にもよりますが、一般的には眼球周囲の筋肉のうち、眼球が引っ張られている方向の筋を一度切除して、眼球の位置を調節したのち、つなぎ合わせます。
そのため、通常の創部と同様、定期的な消毒が必要であり、点眼がその役割を担います。
よって、術後の感染症を予防するためにも継続的な点眼が必須です。


2:×
洗顔や洗髪などの水が瞼の隙間から侵入する危険性のあるものを退院直後に行ってもよいという説明は誤りです。

手術を受けた医院の方針にもよりますが、洗顔や洗髪は2週間〜1ヶ月後ごろから許可されます。
それまではきちんと感染の危険性について説明したうえで、濡れタオルでの洗顔やドライシャンプーの使用を促す必要があります。


3:×
「眼脂(がんし)」とは目やにのことです。
免疫反応の一種であり、目の中に侵入した細菌や眼球周囲の古い細胞などが分泌液と共に排出されたものなので、術後3〜4週間は続きます。
眼脂の性質なども観察項目のひとつですので、出ることが自然であることも含め、定期的に受診してもらう必要性を説明します。


4:○
斜視の術後、今までものを見ていたのとは異なる向きで眼球を使うことにより、しばらくは2重にだぶってみえてしまうという症状が出現することがあります。

しかし小児の場合、特有の柔軟な適応力により、1ヶ月程度で消失することが多い(場合によっては微細に症状が残ることももちろんあります)ため、万一症状がでても、慌てずにしばらく経過観察するよう、先に説明を行うのは適切です。


5:×
3歳であれば、説明すれば理解し、目を触らなくなるということも期待できないため、当日に固定を解除することは難しいと思われます。
大抵は次の受診時に創部の様子を見て、それ以降の固定期間を決定することが多いです。

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03

答えは1,4です。

1.術後の感染を防ぐために抗菌薬の点眼が必要です。Aちゃんは3歳なので、薬の管理、投与は母親に指導します。

2.術後の感染を防ぐため、約1週間は洗顔を控える必要があります。

3.手術後は1ヵ月程、眼脂が出ます。

4.視軸が変わり、しばらく物が二重に見えることがあります。母親への指導として正しいです。

5.Aちゃんは3歳です。眼を触らないように説明しても、無意識に触ってしまう可能性が高いです。しばらくは肘関節の固定が必要です。

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