看護師の過去問
第104回
午後 問148

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問題

看護師国家試験 第104回 午後 問148 (訂正依頼・報告はこちら)

膀胱で正しいのはどれか。
  • 漿膜で覆われている。
  • 直腸の後方に存在する。
  • 粘膜は移行上皮である。
  • 筋層は2層構造である。

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この過去問の解説 (3件)

01

膀胱の粘膜(とくに粘膜上皮)は移行上皮でできており、正解は 3 です。

1は、上面と後面のみ漿膜が覆っているので誤りです。

2は、直腸の前方に位置しているため誤りです。

4は、筋層は内斜筋、中輪状筋、外縦走筋の3層構造で構成されているため誤りです。

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02

正解は 3 です



漿膜とはそもそも、胸腔や腹腔内の臓器表面を覆い、臓器同士が摩擦で傷つくことのないよう覆っている半透明の膜のことです。
胸膜、腹膜、心膜などが当てはまります。



1:×
膀胱を構成する要素に漿膜はありますが、全体を漿膜に覆われているのではなく、腹膜に接している上方と後方のみが漿膜で覆われています。
そのため、この選択肢は全くの間違いはありませんが、完全に正しくもありません。



2:×
直腸の後方に膀胱が存在した場合、人体の尿道口と肛門の位置関係が非効率なものになります。
落ち着いて考えれば確実に間違いだと判断できる選択肢なので、確実に選択肢から除いていきましょう。



3:○
上皮組織には多数種類がありますが、国家試験でよく出題されるのは以下の5つです。


・単層扁平上皮 (たんそうへんぺいじょうひ)
 組織が1層のみで比較的薄く、物質の交換に適している。
 例)血管・肺胞・リンパ管など

・単層円柱上皮 (たんそうえんちゅうじょうひ)
 層は1層だが、細胞自体が円柱型をしており、物質の吸収に適している。
 また、表面積を広げれば効率よく吸収できるため、表面に線毛が存在する。
 例)胃粘膜・小腸粘膜など

・多列線毛上皮 (たれつせんもうじょうひ)
 物質を運搬することが多い部位に存在しており、運搬しやすくするため線毛が存在する。
 例)鼻腔粘膜・咽頭粘膜・気管、気管支粘膜など

・重層扁平上皮 (じゅうそうへんぺいじょうひ)
 層が厚く重なっており、温度、圧力など様々な刺激を受けやすく、強度が必要な部位に存在する。
 例)皮膚・口腔粘膜・食道粘膜など

・移行上皮 (いこうじょうひ)
 何層かの細胞で成り立っているが、上皮が引っ張られると薄くなる分、大きく広がるという特徴を持つ。
 縮んでいる時と広がっている時では様子が随分違い、かなりの柔軟性を必要とする部位に存在している。尿路系に多く存在しているため、尿路上皮とも呼ばれる。
 例)膀胱上皮・尿管上皮・腎盂上皮など


特に、1回に150ml〜250mlは尿を貯めておく必要のある膀胱は、柔軟性のある移行上皮が存在する代表的な臓器ですので、関連づけて覚えておきましょう。



4:×
膀胱尿量によって、かなり伸び縮みする必要があり、一方向ではなく全方向に広がる必要があります。
その上、体内に水分を貯蓄しておく必要もあり、強度を必要とするので、3層の筋層で構成されています。

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03

膀胱は骨盤内の最前面に位置しています。

膀胱壁は粘膜である移行上皮、筋層、漿膜で構成されています。

よって、3.が正答です。

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