看護師の過去問
第105回
午前 問95
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問題
看護師国家試験 第105回 午前 問95 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。AさんはIgA腎症(IgA nephropathy)と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。
Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5℃、脈拍98/分、血圧238/112mmHgであった。血液検査データは、尿素窒素100mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb7.1g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。AさんはIgA腎症(IgA nephropathy)と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。
Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5℃、脈拍98/分、血圧238/112mmHgであった。血液検査データは、尿素窒素100mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb7.1g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。
- 輸血
- 血液透析
- 利尿薬の内服
- 胸腔ドレナージ
- 降圧薬の点滴静脈内注射
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この過去問の解説 (3件)
01
×不正解
Hb7.1g/dLなので、低値ではありますが輸血より直ちに行わなければいけないのは血液透析や降圧剤使用のため、不正解です。
2 . 血液透析
○正解
血液透析への基準がいくつかありますが、今回の場合は、尿素窒素100mg/dL(基準値:8~21mg/dL)、クレアチニン12.0mg/dL(男性の基準値:0.65~1.09)と比べても随分高い事が分かります。
また、息切れ、食欲不振、浮腫、さらに眠気、悪心、嘔吐と尿毒症の症状が出ているため、出来るだけ早い血液透析が必要です。
3 . 利尿薬の内服
×不正解
浮腫が認められるため、尿毒症の症状の一部と考えられます。浮腫に対する対処療法ではなく、尿毒症そのものへの治療(透析)が必要となるので、不正解です。
4 . 胸腔ドレナージ
×不正解
胸部ドレナージは胸水が溜まった時、気胸などの際に実施されます。胸部エックス線では肺うっ血が認められますが、胸水が溜まっているわけではないので、胸部ドレナージは必要ありません。
5 . 降圧薬の点滴静脈内注射
○正解
血圧238/112mmHgと非常に高いので、直に降圧剤が必要です。
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02
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03
腎不全が進行すると、尿素やその他老廃物が排出されず、尿毒症をおこします。
尿毒症をきたすと、尿素などの蓄積による悪心、嘔吐、意識障害、食欲低下のほか、過剰に水分が体内に貯留することによる肺水腫(肺うっ血)、胸水、心不全などの症状を呈し、重篤化する場合があります。
1.誤り。腎不全に伴い、造血ホルモンの不足による貧血をきたします。設問の事例もHb7.1g/dLと低値で貧血が進行していますが、この場合は緊急度の高い尿毒症に対する治療を優先します。
2.正解。尿素窒素、クレアチニン値はともに著しく逸脱しており、直ちに血液透析を行う必要があります。
3.誤り。通常、腎不全の治療では利尿薬を内服しますが、この場合は緊急度の高い尿毒症に対する治療を優先します。
4.誤り。胸腔ドレナージは胸水が貯留した場合に、呼吸状態の改善を目的に行うものです。事例では肺うっ血をきたしていますが、胸水貯留はしておらず、ドレナージの必要はありません。
5.正解。事例の血圧は238/112mmHgと高値を示しており、直ちに降圧薬を投与する必要があります。
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