看護師の過去問
第105回
午後 問198

◎関節リウマチ
膠原病の一種で、原因不明の全身性の炎症が特徴的な疾患です。症状として、微熱、倦怠感、リンパ節の腫脹、長期に渡る関節の炎症や可動域の異常や機能低下等があります。
▶炎症が生じやすい部位として、手関節、足関節、膝、指の付け根等があり、起床時の手指のこわばりや腫脹が特徴的です。
1 . ×床に座って靴下を履く。
→床に直接座る事で膝関節や股関節等への過度な圧が加わる為、リウマチでの疼痛が増強する可能性があり、適切ではありません。靴下を着用する場合は、椅子などを利用して、関節への負担を軽減するようにします。

2 . ×2階にある部屋を寝室にする。
→2階に寝室があると階段の上り下り等の動作が増える為、関節リウマチの方への支援として適切ではありません。

3 . ○水道の蛇口をレバー式にする。
→蛇口をレバー式にする事で水道の蛇口の開閉動作が容易になる為、適切です。

4 . ×ボタンで着脱する衣服を選択する。
→関節リウマチにより、手指の関節が上手く動かしづらい状況が考えられるので、着脱の簡単なマジックテープ式等の衣服を選択するようにします。

5 . ×寝具はやわらかいマットレスにする。
→柔らかいマットレスは身体が沈む為に関節などに負担がかかり、リウマチによる疼痛が増強する可能性がある為、ある程度の硬さは必要です。

正解は、3です。
×1 .床に座って靴下を履く
…床に座ると、履く動作で足の関節が広範囲に広がり、膝関節や股関節に負担がかかります。
また、履いたあとに床から立ち上がる動作は、腕と脚の関節を広範囲に使うこととなり、かかる力も大きく体に負担となります。
×2 .2階にある部屋を寝室にする
…エレベーターがある場合は別ですが、通常住宅では2階に行くには階段があります。
昇降動作での関節へかかる負担を考えると、寝室は1階が望ましいでしょう。
○3 .水道の蛇口をレバー式にする
…つまみ式の蛇口では、指関節にかかる負担が非常に大きくなります。
レバー式だと上げ下げの動作で水道が出ますので、関節へかかる負担を軽減できます。
×4 .ボタンで着脱する衣服を選択する
…関節リウマチでは、起床時などに手の指が動かしにくくなる朝のこわばりを訴える方がいらっしゃいます。
小さいボタンになるほど、脱ぎ着しにくくなるので、ファスナー式やマジックテープ式の衣服だと負担が少ないです。
×5 .寝具はやわらかいマットレスにする
…その人の好みにもよりますが、やわらかいマットレスは体が深く沈みがちです。
寝返りを打つ動作や起床時に起き上がる動作など、沈みすぎると体勢が定まりにくく、動作に支障をきたします。
関節にかかる負担を最小限にするためにも、マットレスはある程度の硬さが必要です。

1 .× 床に座って靴下を履く。
椅子に座って靴下を履く方が関節への負担が少ないです。

2 .× 2階にある部屋を寝室にする。
階段の昇降は関節に負担がかかるため、1階に寝室があるほうが望ましいです。

3 .○ 水道の蛇口をレバー式にする。
関節に負担をかけない動作が必要なため、蛇口よりもレバー式の方が負担が少なく望ましいです。

4 .× ボタンで着脱する衣服を選択する。
関節の痛みや朝のこわばりが強い時があるため、着脱しやすい衣服が望ましいです。

5 .× 寝具はやわらかいマットレスにする。
やわらかいマットレスは体が沈み、変形して関節に負担がかかります。固いマットレスが望ましいです。