看護師の過去問
第105回
午後 問214

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問214 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。

Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。
Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか。
  • 溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
  • 機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
  • 切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
  • 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . ×溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
→ 尿道の閉塞や膀胱の筋力の低下等によって残尿が生じ、膀胱に溜めておけなくなり尿が漏れ出てしまう種類の尿失禁です。
Aさんは排尿時痛や残尿感はない為、考えづらいです。

2 . ○機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
→ 排尿機能に障害はないが、認知機能障害や身体機能の低下等により、トイレに行く、ズボンの上げ下げする等の日常生活における排尿動作に問題が生じる事で生じる尿失禁です。Aさんは尿意があるが、トイレに行くまでに時間がかかり、尿失禁となっている事から適切です。

3 . ×切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
→脳梗塞や脳出血によって、大脳の排尿中枢が障害を受け、排尿を抑制する事が出来なくなり尿が漏れ出てしまうものです。排尿が我慢できない等の記載はない為、適切ではありません。

4 . ×腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
→咳やくしゃみ、笑い、荷物の上げ下げ等の腹圧がかかった際に尿が漏れ出てしまうものです。Aさんは、咳やくしゃみ、農作業等では尿漏れがないとの記載から適切ではありません。

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02

正解:2
1、慢性的な尿路通過障害があると、残尿量が多くなります。これにより、膀胱内圧が上昇し、少しずつ尿が漏れ出てしまいます。これを溢流性尿失禁といいます。前立腺肥大症などの尿路通過障害があるとおこりやすいです。

2、日常生活動作(ADL)の障害により、トイレへの移動や排尿動作ができず失禁することを機能性尿失禁といいます。
Aさんはゆっくりであればトイレへの移動は可能ですが、間に合わず尿が漏れてしまうので、機能性尿失禁だと考えられます。

3、膀胱に尿が溜まったときに、尿意を我慢できず尿が漏れてしまうことを切迫性尿失禁といいます。

4、腹圧性尿失禁とは、せきやくしゃみなどで腹圧が上昇した時に尿が漏れてしまうものです。妊娠や分娩、加齢などによって骨盤底筋が弛緩したり、尿道閉鎖機能が低下したことによりおこります。

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03

1 . ×溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
強い尿意があり、排尿困難を伴い、尿が少しずつ漏れ出すのが溢流性尿失禁です。前立腺肥大症などに多くみられます。

2 . ○機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
身体運動機能の低下や認知症などが原因で、排尿機能自体には問題がないのが、機能性尿失禁です。
Aさんはゆっくりした動作であれば、日常生活が可能であり、尿意があるがトイレまでに時間がかかることが原因ですので、機能性尿失禁と考えられます。

3 . ×切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
急な尿意や我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。脳血管障害や前立腺肥大、膀胱瘤や子宮脱などにみられます。

4 .× 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
重い物を持ち上げた時、走ったり、咳やくしゃみなどをして、腹圧がかかった際に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。加齢や出産がきっかけで骨盤底筋群の筋力低下により、出現したりします。

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