看護師の過去問
第105回
午後 問220
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問題
看護師国家試験 第105回 午後 問220 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE−12.3、HCO3−10.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。
入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE−12.3、HCO3−10.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。
入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。
- 冷汗
- 浮腫
- 悪寒
- 意識障害
- 皮膚の弾力性の低下
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この過去問の解説 (3件)
01
→Aちゃんは1型糖尿病の疑いがあり、血糖値900㎎/dlと高血糖です。冷や汗やめまい等は低血糖症状である、適切ではありません。
2 .× 浮腫
→尿素窒素、クレアチニン等の値と排尿が数回みられている状況から腎機能低下や排尿に関する異常はないと考えられます。よって、浮腫は考えにくいです。
3 .×悪寒
→KT37.3であり、やや微熱程度です。その他悪寒が生じそうな情報はない為、注意して観察するポイントではありません。
4 . ○意識障害
→Aちゃんは血糖が高値で、1型糖尿病の疑いがある事よりインスリン分泌以上があるといえます。
血糖が高値の状態が続く事で、糖尿病ケトアシドーシスといった意識障害や昏睡状態となる危険がある為、注意して観察するようにします。
5 . ○皮膚の弾力性の低下
→Aちゃんは尿の回数が増えたが、嘔気嘔吐によって水分摂取が出来ていない状況があり、脱水の可能性が考えられます。また、設問より脈拍が120回/分となっていることからも、Aちゃんは脱水傾向で、身体が少ない循環血液量で全身に血液を送る為に、心拍数を上げている状況であるといえます。皮膚の弾力の低下は脱水をみる指標であり、適切です。脱水は、皮膚のツルゴール(皮膚緊張)での確認方法もあります。
※皮膚のツルゴール:手の甲を人差し指と親指で摘み、皮膚が戻る時間をみるもの。2秒以内が正常。
▶高齢者は加齢に伴う皮膚の弾力低下もある為、ツルゴールの評価はあまり参考になりません。
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02
1、高血糖症状では冷汗は出現しません。
2、尿素窒素、クレアチニン、Na、Kすべて異常値ではないので、浮腫が出現するリスクは低いです。
3、問題文の所見から見て、悪寒は注意しなければならない所見ではありません。
4、1 型糖尿病はインスリン分泌が急激に欠乏します。そのため、インスリンの著しい不足などにより、ブドウ糖が利用できなくなり、高血糖と脱水が持続します。(糖尿病ケトアシドーシス)
さらに、悪化すれば意識障害や昏睡状態に陥ることがあります。
5、皮膚の弾力性の低下は脱水の身体所見なので、注意して観察する必要があります。
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03
Aちゃんは1型糖尿病疑いであり、数週間前から糖尿病症状である多尿が発現しており、受診時所見では随時血糖900mg/dL、尿糖2+、尿ケトン体3+となっています。
1型糖尿病ではインスリン分泌が急激に減少するため、高度の脱水や意識障害(糖尿病性ケトアシドーシス)、昏睡を引き起こす可能性があります。
さらに、吐き気と嘔吐があり、水分摂取もできていないとのことで、脱水状態が想定されます。
このため、意識障害や脱水の徴候である「皮膚の弾力性の低下」などに注意し、発現した場合には速やかに治療が必要です。
1.冷汗:低血糖症状のため該当しません。
2.浮腫:尿素窒素やクレアチニンの値は浮腫をきたすような異常値は見られず、この状態から注意すべき所見ではありません。
3.悪寒:糖尿病性ケトアシドーシスとの関連性は低いため、この状態から注意すべき所見ではありません。
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