看護師の過去問
第105回
午後 問219

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問219 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。Aさんは雨の中を1人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎(bacterial pneumonia)と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。

入院後7日、症状が軽快し明日退院することが決まった。消灯前にAさんが部屋にいないため探すと、小刻みにすり足で歩いているところを発見した。看護師がどうしたのか質問すると「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と、思いつめた表情で話した。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
  • 転倒の危険を説明する。
  • 行きたい場所へ付き添う。
  • 子ども時代の思い出を尋ねる。
  • 子どもはどこかへ行ってしまったと説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 .× 転倒の危険を説明する。
→Aさんは認知症であり、認知機能低下から説明によって理解が得られない可能性があり、適切ではありません。

2 .○ 行きたい場所へ付き添う。
→Aさんはレビー小体型認知症の特徴である幻視と小刻み歩行等のパーキンソニズム(パーキンソン様症状が出ること)が出現しています。
パーキンソン様症状である小刻み歩行は、歩行による転倒リスクも高いです。よって、Aさんの幻視で見えているものを否定せず、かつ安全に移動する為に付き添い歩行は有用です。

3 . ×子ども時代の思い出を尋ねる。
→Aさんが今見えている幻視に対して話をそらすことで否定されていると思われてしまう可能性がある為、適切ではありません。

4 . ×子どもはどこかへ行ってしまったと説明する。
→Aさんが「そこに小さい子どもがいる」と発言していることにより、「どこかにいってしまった」と返答する事で今見えているものを否定する事になる為、適切ではありません。

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02

正解:2
1、認知機能が低下しているので、転倒を説明しても理解が得られない可能性が高いので、不適切です。

2、認知症の方への対応では、否定したり無視したりしないことが大切です。本人が話していることを受け入れて行きたいところへ付き添うことが適切です。

3、違う話に移ることは、本人が話していることを否定されていると思う可能性があるので、不適切です。

4、Aさんが「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と言っているのに、「いなくなった」ということは本人の発言を否定することにつながります。

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03

正解は2です。
レビー小体型認知症の特徴的な症状は、認知機能の変動、繰り返す幻視、パーキンソン症状です。
「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と話していることを受け入れ、行きたい場所へ付き添う対応が最も適切です。

1.転倒の危険を説明する:認知機能が低下しているため、説明に対する理解が得られません。
3.子ども時代の思い出を尋ねる:違う話題にすることは、自分の訴えが受け入れられていない、否定されていると感じられ、混乱や妄想を招きかねません。
4.子どもはどこかへ行ってしまったと説明する:子どもが見えていることを否定されたと感じられ、混乱や妄想へ発展することがあります。適切ではありません。

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