看護師の過去問
第105回
午後 問230

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問230 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

Aさんの入院後2週が経過した。Aさんの母親が疲れた表情で「Aはまだ誰かに殺されるのではないかと怖がっています。Aはなぜこんな病気になったのでしょうか。親としてどのようにAに接したらよいか分かりません」と担当の看護師に相談してきた。
この時点でAさんの両親に勧めるのはどれか。
  • 毎日の面会
  • 家族心理教育
  • Aさんとの同伴での外出
  • 共同生活援助〈グループホーム〉の見学

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . ×毎日の面会
→Aさんの母親は、Aさんに対する接し方に関して不安があるので、家族に対してAさんの疾患理解に役立つ為の専門的なアドバイスが必要です。ただ面会だけを進めても、Aさんとの接し方への不安の解決とはならない為、適切ではありません。

2 . ○家族心理教育
→家族心理教育とは、家族に対して疾患を正しく理解し、症状出現の際に適切な対応や接し方を学ぶものです。Aさんの母親は、統合失調症となったAさんに対する接し方で悩んでいる為、心理教育を勧める事は適切といえます。

3 . ×Aさんとの同伴での外出
→Aさんの家族は、Aさんとの接し方に対して不安があり、Aさんも「まだ誰かに殺されるのではないかと怖がっています。」という状況の為、現段階で同伴での外出を勧めるのは適切ではありません。

4 . ×共同生活援助〈グループホーム〉の見学
→グループホームとは、認知症や障害等があり、生活に困難を抱えた人が専門のスタッフ等の支援を受けて生活する場です。Aさんの母親はAさんの接し方に対して不安はあるが、一緒に暮らす事などを悩んでいる状況ではない為、現時点で適切ではありません。

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02

正解:2
1、Aさんの母親は疲れてるので、毎日の面会をすすめることは母親の疲労を蓄積させるだけです。これは不適切です。

2、統合失調症の回復のためには、ご家族の協力が大きな助けになります。 本人がなにかをしたから発症したわけではなく、親の育て方や遺伝のために起こるわけでもありません。ご家族がご自身を責めたり、本人の将来を悲観したりしないよう、家族心理教育を母親にすすめることは最も適切であると考えられます。

3、「Aはまだ誰かに殺されるのではないかと怖がっています。」という発言から、Aさんを外出させるのは不適切です。

4、現段階ではグループホームをすすめるのは不適切です。

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03

正解は2です。
患者心理教育は、原因追及よりも良くできている対処や今後の解決に焦点を当て、過剰な自責感や自らの偏見を軽減することを目的として行うため、現在疲弊して相談してきた母親へ勧める内容としては最も適切と考えられます。

1.毎日の面会:疲労している様子のため、さらに毎日の面会を勧めるのは不適切です。
3.Aさんとの同伴での外出:「まだ誰かに殺されるのではないか」と怖がっている状態での外出は不適切です。
4.共同生活援助(グループホーム)の見学:統合失調症の症状がまだ残っており、今後も入院での治療を継続すると想定されます。退院時期がおよそ決定してから勧めるのが適切です。

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