看護師の過去問
第106回
午後 問212
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問題
看護師国家試験 第106回 午後 問212 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折( compression fracture )と診断され、安静目的で入院した。
既往歴:5年前に大腿骨骨折( femoral fracture )。
現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病( Alzheimer disease )を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。このときの看護で最も適切なのはどれか。
既往歴:5年前に大腿骨骨折( femoral fracture )。
現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病( Alzheimer disease )を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。このときの看護で最も適切なのはどれか。
- 体幹を抑制する。
- 家族に夜間の付き添いを依頼する。
- ナースステーションにベッドを移動する。
- 骨折で入院していることを繰り返し伝える。
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この過去問の解説 (3件)
01
せん妄とは、注意の障害(集中、維持、転換する能力の低下)と意識の障害(環境に対する見当識の低下)と定められています。
1 . 体幹を抑制する。
×不正解
現在のAさんは「ここはどこなのか?」という質問を繰り返している状態で、ベッドから無理やり出ようとするなどの危険行動があるわけではありません。
また、抑制は最後の手段として、他にできることを模索することが求められます。よって、不正解です。
2 . 家族に夜間の付き添いを依頼する。
×不正解
場所の認知ができていないものの、昼夜逆転して危険行動をとっているわけではありません。よって、家族の付き添いは不必要であるため、不正解です。
3 . ナースステーションにベッドを移動する。
×不正解
場所についての質問を繰り返している状態なので、今後のせん妄状態に注意する必要がありますが、ナースステーションで過ごす必要はありません。よって、不正解です。
4 . 骨折で入院していることを繰り返し伝える。
〇正解
アルツハイマー病の既往があり、転倒による骨折で入院となったため、普段と違う環境によってせん妄が起こっています。同じ質問を繰り返していますが、その都度入院していること、治療中であることを繰り返し伝えることがせん妄のケアでは大切となるため、正解です。
他にもせん妄のケアには、日時を分かりやすくするためにカレンダーや時計を見やすい位置に置いたり、夜間の眠りのためにも日中は覚醒を促す、メガネや補聴器を使っている人はきちんと使用する、リハビリを行い早期離床させるなどが挙げられます。
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02
1.せん妄状態には早期の対応が求められますが、抑制を第一選択とするのは誤りです。
2.長男夫婦は仕事をしています。やむを得ない場合に長男夫婦に付き添いをお願いする場合もありますが、現段階として依頼するのは誤りです。
3.現段階では危険行為は見られていないため、ベッドの移動は適切ではありません。
4.見当識障害、記憶障害によって同じ質問を繰り返しています。その都度、説明することが必要です。
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03
Aさんは胸部を骨折しており、認知症もありますが、抑制を第一選択とするのは誤りです。
2.✖
長男夫婦は仕事をしており、現段階で夜間付き添いを依頼するのは誤りです。
3.✖
安静目的の入院であるため、人の出入りの多いナースステーションにベッドを移動させるのは誤りです。
4.〇
胸部圧迫骨折は症状安静が必要です。Aさんは認知症があり、自分の環境の変化に対応困難な状態ですが、繰り返し説明し、理解を促す必要があります。
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