看護師の過去問
第106回
午後 問211

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問211 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病( Parkinsonʼs disease )で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。

有料老人ホームの看護師はAさんに病気の進行を予防するために運動を勧めたが、Aさんは「この病気は進行性だからいつかは動けなくなる。今、転ぶと骨折して動けなくなるかもしれない。だから運動するのは嫌だ」と言う。AさんはParkinson〈パーキンソン〉病( Parkinsonʼs disease )に関する情報を入手しており、病状の理解ができている。薬物は自己管理できている。かかりつけ医に自分から病状の説明を求めることもある。
Aさんの転倒の不安を軽減するために看護師とAさんが一緒に実施することで、最も適切なのはどれか。
  • 車椅子で外出する。
  • 転倒予防教室への参加を検討する。
  • 廃用症候群( disuse syndrome )に関する情報を収集する。
  • 運動の効果と転倒のリスクとを比較する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 車椅子で外出する。
×不正解
高齢者の場合「できる能力を維持する」ことが大切になってきます。車椅子を使用することで、ADL低下につながるので適切ではありません。よって、不正解です。

2 . 転倒予防教室への参加を検討する。
〇正解
Aさんの転倒の不安を軽減するためには、転倒予防に焦点を当てたクラスに行き、知識を提供することは有益になると考えられます。よって、正解です。

3 . 廃用症候群に関する情報を収集する。
×不正解
廃用症候群の情報では運動ができなくなった時のAさんの情報を提供するのみで、Aさんの転倒への不安を軽減するわけではないので、不正解です。

4 . 運動の効果と転倒のリスクとを比較する。
〇正解
Aさんは「運動すると転ぶかもしれない」というリスクにのみ焦点が当たっているため、運動を拒否しています。運動することによって得られることを提示していくことで、Aさんの転倒への不安を軽減できる可能性があります。よって、正解です。

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02

1.車椅子を使用することで、ADLが低下し、自力歩行ができなくなるおそれがあります。自力歩行ができている現在の段階では不適切です。

2.現在Aさんの一番の心配事は「転倒すること」であると考えられます。その一番の心配事である「転倒すること」を予防することができる教室は、Aさんの不安の軽減につながり、さらに転倒やその予防に関する正しい知識を得ることができます。

3.廃用症候群とは、心身の不使用、不活発によって機能低下をきたした状態で、関節拘縮や筋力低下などが起こります。Aさんの場合、安静状態を必要とはしていません。今はまだ情報提供する必要がないと思われます。

4.Aさんと一緒に、転倒のリスクと運動の効果を考えることで、転倒に対する不安の軽減につながると考えられます。

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03

1. ✖
転倒の不安を軽減するために車椅子を使用することは、ADL低下を招くので不適切です。

2. 〇
Aさんは理解力があるので、不安軽減につなげるために転倒予防教室で正しい知識を得ることは適切です。
3. ✖
廃用性症候群は安静状態が長期に続く事により、起こる様々な身体機能低下をいうので、身の回りの事を自分で行っているAさんに情報を提供する必要はないです。

4. 〇
Aさんはパーキンソン病に対する知識と理解があります。よって、転倒の不安を軽減するために、転倒を心配して一日室内にいるよりも運動をした方が身体に効果的だと説明するのは適切です。

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