看護師の過去問
第107回
午後問220

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問題

A君（ 13歳、男子）。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
身体所見:体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。
検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。
プロトロンビン活性＜ PT活性＞105%（基準値80～120% ）、活性化部分トロンボプラスチン時間＜ APTT ＞32.0秒（基準対照31.2秒）。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。補体価（ CH50 ）41IU/mL（基準値30～45IU/mL ）、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3袷、潜血2袷、赤血球50～99/1視野。

A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。

川崎病（ Kawasaki disease ）
血友病A（ hemophilia A ）
急性リンパ性白血病（ acute lymphoblastic leukemia ）
全身性エリテマトーデス＜ SLE ＞（ systemic lupus erythematosus ）
Henoch-Schönlein＜ヘノッホ・シェーンライン＞紫斑病＜ IgA血管炎＞（ Henoch-Schönlein purpuraIgA vasculitis ）

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この過去問の解説（3件）

正解は、5です。

1　川崎病は、5日以上の高熱、両目の充血、口唇の乾燥感、舌の発赤と発疹の症状が出ます。

2　血友病Aは、関節内出血や筋肉内出血の深部出血が多くみられます。

3　小児の急性リンパ性白血病は、風邪様症状や不機嫌などの初期症状がみられます。

4　SLEでは、発熱や全身倦怠感のほかに皮膚症状、関節炎などの様々な症状が全身に現れます。

5　体の部位に、内出血のような紫色の斑点「紫斑」ができます。初期症状として紫斑や点状出血が現れた後に、腎炎や腹痛、関節痛などの症状が出てくることもあります。

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正解は５です。
IgA血管炎（ヘノッホ・シェーンライン紫斑病）は、１０歳以下のお子さんに見られやすい病気で、下腿に触れることの紫斑が特徴です。また関節症状や、消化器症状、腎症状がみられます。
１、川崎病は5日以上続く発熱、両方の白目の充血、手足が赤く腫れる、唇や舌が赤くなる、色々な形の発疹、首のリンパ節が腫れるのが特徴です。
２、血友病Aは幼少期から出血症状を表します。関節内出血が特徴です。
３、急性リンパ性白血病は６歳以下の小児に多く、頭痛や吐き気・嘔吐（おうと）などの症状に注意が必要です。
４、 SLEは全身の様々な場所に症状が現れる、免疫疾患です。

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正解は5です。

紫斑（主に下腿や臀部）・腎炎（血尿や蛋白尿）・消化器症状（下痢、悪心・嘔吐、腹痛）・関節痛（膝関節や足関節の疼痛）の4兆候でヘノッホ・シューライン紫斑病（IgA血管炎）と診断されます。

１．5日以上続く発熱、両目の白目の充血、唇や舌が赤い、発疹、手足が赤く腫れる、首のリンパ節の腫脹を特徴とする疾患です。
２．血友病Aの多くは、幼少時から出血症状が現れます。出血症状は様々ですが、特徴的な出血部位は膝・足・肘に起こる関節内出血です。
３．白血病の中でも、主に骨髄で増殖するものを急性リンパ性白血病といいます。
４．免疫システム異常による自己免疫疾患で、全身に様々な症状を起こす疾患です。

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看護師の過去問第107回午後 問220

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