看護師の過去問
第108回
午前 問27

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

成人の鼠径ヘルニア(inguinal hernia)で正しいのはどれか。
  • 内鼠径ヘルニア(internal inguinal hernia)と外鼠径ヘルニア(external inguinal hernia)に分けられる。
  • 患者の男女比は約1:3である。
  • やせている人に多い。
  • 保存的治療を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

鼠径ヘルニアは、お腹の筋肉の薄いところから腸や大網などが押し出されることで皮膚が突出する病気です。

1 . 内鼠径ヘルニアと外鼠径ヘルニアに分けられる。
○正解
内鼠径ヘルニアは中年以降の男性に多いヘルニアです。鼠径部のやや内側が腫れてきます。筋肉の緩みが原因なので放置すると突出がどんどん大きくなります。
外鼠径ヘルニアは男女問わず幼児から若年者までほとんどがこのタイプです。鼠径部のやや外側が腫れてきます。画像診断では下腹壁動静脈の外側からの突出と判断できれば、外鼠径ヘルニアです。
よって、正解です。

2 . 患者の男女比は約1:3である。
×不正解
鼠径ヘルニアがよく起こる箇所はもともと睾丸が通った所で、他の部位に比べると筋肉が薄くなっています。その筋肉は年をとるにしたがって弱くなっていきます。その隙間から腸が飛び出したものがヘルニアです。そのため、鼠径ヘルニアは男性に多いのが特徴です。
女性に多いヘルニアは大腿ヘルニアです。鼠径部のやや下側太もも部分が腫れます。
よって、不正解です。

3 . やせている人に多い。
×不正解
肥満気味になると下腹部により重さがかかるため、もともと薄い筋膜から脱腸(ヘルニア)しやすくなります。よって、体重を減らす事も大切になってきます。よって、不正解です。

4 . 保存的治療を行う。
×不正解
内鼠径ヘルニアは放置すると突出が大きくなり、手術もより困難となります。そして、ヘルニアは還納することはあっても、自然に治る事はありません。外鼠径ヘルニアは放置しすぎる事で嵌頓になる可能性も高くなります。よって、鼠径部切開法または腹腔鏡下にてメッシュを入れ、お腹の内側から弱い筋膜を補強します。
よって、不正解です。

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02

正解は1です。

鼠径ヘルニアとは、腸や腹膜の一部が鼠径の柔らかいところに飛び出し膨隆すること、つまり脱腸のことです。

1、鼠径ヘルニアには、内鼠径ヘルニアと外鼠径ヘルニアがあります。正解です。


2 の患者の男女比については、乳幼児、加齢に伴う身体組織の衰退により、40歳以上男性に多いです。よってこれは不正解です。

3、やせている人に多いのは大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニアです。鼠径ヘルニアは、鼠径管のサイズが大きく脱腸しやすい男性に多いです。


4、手術により膨隆を切除する治療があります。保存的治療では治りません。

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03

正解:1. 内鼠径ヘルニアと外鼠径ヘルニアに分けられる。

鼠径ヘルニアは、腸や内臓脂肪などが皮膚のすぐ裏側まで飛び出してしまう病気です。
鼠径ヘルニアには、内鼠径ヘルニアと外鼠径ヘルニアがあります。
内鼠径ヘルニアは、内鼠径輪よりも内側の鼠径管後壁が弱くなって起こります。
外鼠径ヘルニアは、内鼠径輪と呼ばれる穴を通り鼠径管の中に腸などが入り込むことで起こります。

2. →鼠径ヘルニアは中年以降の男性に多く、比率は男性:女性=4〜8:1となっています。

3. →内臓脂肪が多く肥満の人は、腹圧がよりかかってしまうため、鼠径ヘルニアを起こしやすくなります。

4. →鼠径ヘルニアは自然に治ることはないため、手術が必要となります。飛び出した臓器を元に戻し、メッシュと呼ばれる人工の網を使って穴を塞ぐ手術を行います。

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