看護師の過去問
第108回
午前 問26

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

人工弁置換術の術後合併症で早期離床による予防効果が高いのはどれか。
  • 反回神経麻痺
  • 術後出血
  • 縦隔炎(mediastinitis)
  • 肺炎(pneumonia)

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この過去問の解説 (3件)

01

人工弁置換術に限らず、手術後は早期離床を促すことで、特に呼吸器と循環器の合併症を予防することが出来ます。

1 . 反回神経麻痺
×不正解
反回神経は声帯をコントロールする神経で、反回神経麻痺になると嗄声が起こります。甲状腺、食道の手術後に注意して観察する必要があります。早期離床によって予防できないので、不正解です。

2 . 術後出血
×不正解
術後出血は術後合併症の一つに挙げられます。
術前に抗凝固剤を使用していた場合、手術中に出血が多かった場合に起こりやすいです。血液データを適宜確認しましょう。早期離床では予防できないため、不正解です。

3 . 縦隔炎
×不正解
縦隔とは、左右の肺と胸椎・胸骨に囲まれた部分のことを指します。人工弁置換術や冠動脈バイパス術などの開胸手術の際に起こりうる術後合併症として挙げられます。
食道がんなどにより食道穿孔した場合にも起こることがあります。創部感染が原因で、創部を清潔に保つ事が必要です。
早期離床で予防できるわけではないので不正解です。

4 . 肺炎
○正解
早期離床により、呼吸器合併症を予防することが出来ます。呼吸器合併症には、肺炎や無気肺などが挙げられます。よって、正解です。

また、循環器合併症には深部静脈血栓症や肺血栓症などがあります。

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02

正解は4です。

術後は早期離床を目指すことにより、身体の回復が早くなります。
早期離床が進まないと術後合併症(無気肺・肺炎、DVT、腸閉塞、廃用症候群など)を起こしやすくなります。

人工弁置換術とは、心臓にある弁の作動不全に対して、人口の弁を置換することで、本来の心臓の機能を取り戻すことができます。
適応は、僧帽弁狭窄症、大動脈弁狭窄症に対して行われることが多いです。


1の反回神経麻痺とは、反回神経(声帯の動きを司る神経)の麻痺により、発声がうまくできなかったり、嚥下機能低下により誤嚥リスクがあります。
今回は、術後合併症としては考えられにくいことから、不正解です。

2の術後出血は、手術後に予想外の出血が起こることをいいます。患者自身に易出血傾向がある(抗凝固剤を使用していた)、手術による凝固機能低下がしたなどの原因があります。
これは、早期離床により防止できるものとは考えられないため、不正解です。

3の縦隔炎とは、縦隔(心臓、胸腺、食道、大動脈、甲状腺、副甲状腺)に起きる炎症をいいます。主に肺や食道の手術侵襲、食道穿孔によるものが多いです。これは、早期離床により防止でいるものではないため、不正解です。


4の肺炎は、前述したように早期離床により予防できるものですので、正解です。

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03

正解:4. 肺炎

人工弁置換術は、修復不可能な弁に対して、人工弁に取り替える手術です。
人工弁は、機械弁に比べて、血栓が生じにくく、ワーファリンの内服が必要でないことが利点です。

人工弁置換術に限らず、手術後の早期離床によって、以下のような合併症を防ぐことが出来ます。
・無気肺、肺炎
・深部静脈血栓症、肺塞栓症
・廃用症候群

1. →反回神経麻痺は、声帯の機能を担っている反回神経の麻痺により、嗄声を生じる状態です。術後合併症とは関連はありません。

2. →術後出血は、術前に抗凝固剤や抗血小板薬を内服していた人などにリスクが高い術後合併症です。しかし、早期離床によって予防することは出来ません。

3. →縦隔炎は、縦隔に生じる炎症であり、食道の裂傷または胸部の手術が原因で生じます。早期離床によって予防することは出来ません。

4. →早期離床によって、気道内の分泌物の排出が促進され、肺炎や無気肺を予防することができます。

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