看護師の過去問 第108回 午前 問114

1．〇
　酸素は可燃性の気体ではないですが、炎を燃えやすくしてしまうので、火災予防の観点で考えるとガスコンロよりはIHなど電磁調理器を使用したほうが好ましいです。呼吸状態に悪影響なので当然ですが、同じ観点で在宅酸素を使用しながらの喫煙も禁止です。
2．〇
　デマンドバルブとは呼吸同調器で、患者の呼吸に合わせて酸素を吸うときにだけ酸素を供給してくれます。そのため使用する酸素を節約し、酸素ボンベの使用可能時間が延長できます。外出時にはデマンドバルブの作動をきちんと確認しておくことで、より長く外出を楽しむことができます。
3．×
　在宅酸素療法の機材は医療保険適用です。
4．×
　日当たりの良いところに設置すると熱を持ちやすくなってしまうため、できるだけ直射日光の当たらない場所に設置します。また、トイレや手洗い場などに行く際も困らない場所に設置することが大切です。
5．×
　自分の判断で酸素流量を調整してはいけません。必ず受診時に医師に相談し、適切な指示のもとに使用する必要があります。苦しいからと言って勝手に酸素流量を上げてしまうとCO2ナルコーシスになってしまう危険もあります。

正解は１．２です。

1)○
酸素は、それ自体が燃えることはありませんが、ライターやガスの火を近づけた場合に、大きく燃えてしまう可燃性の性質です。
Aさんは、独居で自立した生活を送っています。
家事もAさんが行うことを考えると、電磁調理器や電子レンジを使用することで、安全に調理ができます。

2)○
デマンドバルブは、外出時に使用する酸素ボンベ
に装着すると、使用可能時間を延長できる機器のことです。
デマンドバルブは、呼吸同調式で、吸気時のみ酸素を流します。それにより、酸素消費量を節約することができます。（約2倍～最大3倍程度）
外出時には作動確認を行うことで、安心して過ごすことができます。

3)×
在宅酸素は介護保険適応ではなく、医療保険です。
病院を受診して、在宅酸素の適応基準を満たし、医師の指示があれば導入することができます。
機器類は、病院と連携している（契約）専門業者さんが自宅に届けてくれます。

4)×
酸素濃縮器は、直射日光を避け、通気の良い場所に設置します。内部機材が熱を持たないように、安全な場所に設置しなければなりません。

5)×
自己判断で酸素流量は変更してはいけません。
酸素は薬剤処方と同等の考え方です。
医師の指示通りの流量を設定することが重要で、それでも呼吸困難症状があるのであれば、受診する必要があります。
日常生活において、安静時や労作時などでは酸素消費量が増減します。そのため、酸素導入時には、医師から「安静時：1L　労作時：2L」などの細かい指示が出されることが多いです。

酸素は可燃性であるため、ガスより電子機器を使用する方が火災などの予防になります。また、日当たりにより酸素濃縮機が熱せられるのも危険となります。
外出する際はデマンドバルブの確認をして安全に酸素投与ができるような確認が大切です。
呼吸困難時など勝手に酸素投与量を変えてはいけません。CO2ナルコーシスのリスクを考えましょう。
在宅酸素療法は基本的に社会保険等適応されます。