看護師の過去問
第108回
午前 問115

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

退院後の生活での問題点の確認のため、カンファレンスを開催することになった。Aさんは、自宅での療養を強く希望しており、2L/分の酸素投与下で呼吸状態や日常生活動作<ADL>については入院前と同程度まで回復してきているが、まだ退院後の買い物や洗濯などは負荷が強く、支援が必要と判断された。また、Aさんは、呼吸困難の再発について不安を訴えている。

カンファレンスの検討内容で優先度が高いのはどれか。
  • 電動ベッドの導入
  • 娘の居宅への転居
  • 急性増悪時の対応方法
  • 介護予防短期入所生活介護の利用

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この過去問の解説 (3件)

01

Aさんは呼吸困難の再発についての不安を訴えています。そのため、退院後に呼吸状態が急性増悪した時にどう対処したらいいのか、についてカンファレンスしていく必要があります。患者さんが不安に思っていること、困っていることに焦点をあてて考えていくのが適切といえます。

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02

Aさんは基本的に在宅での生活を希望されています。
そのため、ADLの保持が大切になります。
電動ベッドの導入や介護予防短期入所生活介護の利用など、ADLやQOLを低下させるようなことはしないことが大切です。
娘の転居は看護師だけで決めることではありません。
この段階では、急性増悪時の対応方法を話し合うことが最適だと思います。

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03

正解は3です。

退院に向けて、まず優先されるのは「Aさんの希望、どのように生活をしたいのか」ということです。
Aさんは、在宅酸素を使用しながら、これまで通りの生活を送りたいという希望があります。
この想いをベースに考えて、どのような支援があれば実現できるかを検討していきます。

1)×
電動ベッドは、身体機能の衰えから、起き上がりや立ち上がりなどの動作を助けます。
また、本人だけではなく、介護者がケアをするうえで楽だというメリットもあります。
Aさんのように、自立して動くことができる方には最優先に必要とされません。

2)×
娘さんとの同居ために転居することを、Aさんは望んではいません。酸素化が安定していれば、これまで通りの生活を送れるため、同居を最優先することはありません。
ですが、Aさんも退院後の生活に不安は抱えていますので、在宅酸素についての説明を娘さんにも行う、負荷がかかる家事などは娘さんの手を借りるなど、Aさんが安心して生活するための支援は必要です。

3)○
特に呼吸困難発作を経験した方は、再発の恐怖や不安が強いです。そのため、どのような動作が負荷がかかり控えるべきか、万が一増悪した場合の対応を伝えることで、不安軽減につながります。
Aさんの希望通りの生活を送りながら、不安緩和の支援を行うには最優先される選択肢です。

4)×
介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)は、特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、日常生活上の支援や機能訓練などを行うサービスです。
Aさんにとって、最優先されるサービスではありません。

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