看護師の過去問
第108回
午前 問116

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問116 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

Aさんの退院後、訪問介護員は日常生活の支援のために週1回、訪問看護師は健康状態の確認と在宅酸素療法等について必要な指導を行うため月2回訪問することとなった。退院後2週。訪問看護師が訪問すると、Aさんは時々、食後に軽い呼吸困難が生じると訴えた。
この時の訪問看護師の指導で適切なのはどれか。
  • 1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。
  • 買い物を兼ねた外出の頻度を減らす。
  • 食事の準備は訪問介護員に任せる。
  • 食後すぐに排泄をする。

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この過去問の解説 (3件)

01

食後、食べたものを消化していく際には体内の酸素が消費されます。そのため、呼吸状態が不安定・不良である場合、食後の消化でさえも呼吸に負担がかかってしまうことになります。そのため、1回の食事量を減らし、こまめになにかを摂取するほうが一気に酸素消費されることがないので適切と思われます。

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02

正解は1です。

1)○
咀嚼や嚥下などの食事動作は、酸素消費量を増大させるた、身体に負担をかけ、呼吸状態に影響します。そのため、必要な栄養を苦しくない方法で摂取することが望ましいです。
食事量を減らし、回数を増やす又は高カロリーのものを摂取するなどの工夫が必要です。
また、動作での疲労も考慮すると、テーブルや椅子の高さ調節を行うなど、疲れにくく食べやすい環境を整えるという工夫もあります。
病院受診時に、医師に状況を伝え、酸素量の調節も必要になるかと思います。

2)×
Aさんは、食後の呼吸苦を訴えています。買い物を兼ねた外出頻度を控えることで、直接的に改善はしません。また、身体の状態をみながら適度な外出は、体力やADL保持にもつながります。

3)×
Aさんは、自分のことはできるだけ自分でしたいという想いがうかがえます。
また、食事準備の動作というより、食事摂取時の工夫を優先して介入することで、Aさんの呼吸状態は改善します。

4)×
食直後に排泄することで、呼吸状態はさらに悪化することが予想されます。
食後に呼吸困難感があり、さらに移動や排泄により酸素消費量が増大しますので、悪影響です。

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03

AさんのADLを低下させるような介入をするのではなく、ADLを維持するように介入していくことを考えます。外出頻度の減少や食事の準備を任せるなどのADL低下をさせないようにすることが大切です。
食後すぐの排泄は呼吸困難に直接は関係ありませんし、いきむことによってさらに呼吸苦が増強する可能性があると考えます。

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