看護師の過去問
第108回
午前 問119
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問題
看護師国家試験 第108回 午前 問119 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病(diabetes mellitus)、高血圧症(hypertension)、便秘症(constipation)で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折(compression fracture)で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6°C、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。
Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。
長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。
外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。
Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病(diabetes mellitus)、高血圧症(hypertension)、便秘症(constipation)で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折(compression fracture)で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6°C、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。
Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。
長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。
外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。
- 「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」
- 「食べ物を目につく場所に置きましょう」
- 「近所に出かけないよう説明しましょう」
- 「入院した高齢者によくある症状です」
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この過去問の解説 (3件)
01
病気やケガをきっかけに認知症状が進むことはよくあります。最初は要介護1と認定されても、状態によって介護度が上がっていく場合も多々あります。Aさんの場合薬の飲み忘れや食事をしたことを忘れてしまうなど、記銘力の低下がみられています。こういった場合、介護度の見直しについて介護支援専門員に相談していくことが適切です。
2.×
ご飯を食べたこと自体をわすれてしまうので、食べ物を目につく場所においても解決策にはなりません。むしろ、目につく場所に置いてあることで食後にもかかわらず余計に食べてしまうおそれもあり、不適切です。
3.×
一人で近所に出かけることは危険もあるかもしれませんが、外出など適度な刺激は必要です。家に引きこもりがちになると、ますます認知症状が進んでしまうおそれがあります。
4.×
娘さんが困っていることに対して、「よくある症状です」とだけ言っても何も解決しません。たしかに入院した高齢者の方にはよくあることではありますが、どうしたらよいかがそれではわかりません。
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02
1)○
入院中に認定調査を行った介護度が、退院後しばらくしてアップすることは実際にあります。
現在のAさんは、認知機能も低下しており、自立した生活が困難になりつつあります。
そのため、介護度の見直しを行い、サービス内容を調整・追加する必要があります。
内服管理に関しても、既往歴に糖尿病や高血圧などがあることから、飲み忘れや誤薬も命に関わります。まずは、介護支援専門員にAさんの状態を報告し、対応してもらうことが必要です。
2)×
現在のAさんは、食事を摂取したことを忘れてしまっている状態にあります。目につかないから忘れてしまうわけではありません。根本的な解決方法ではありません。
3)×
近所への外出を控えることは、さらなる認知機能低下、ADL低下を招きます。引きこもることが、解決方法ではありません。
4)×
入院した患者さんは、環境の変化などから、せん妄や認知機能低下がみられることがあります。
特に、骨折などで寝たきり状態が続くことで、これらの症状は強く出ることが多いです。
これをきっかけに認知症が強くなったということもあります。
退院後3か月、入院がきっかけだったとしても現在のAさんに何らかの支援が必要です。
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03
入院した患者によくある症状ではなく、高齢者でも退院後にそのような症状がない場合も多いです。
もう一度介護度を見直して、生活の変化を考慮することが大切です。
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