正解は1です。
1)○
喘息治療薬として、気管支拡張効果、抗炎症効果の両方をもつテオフィリンは有用です。
ですが、テオフィリン製剤は安全域がなく,治療域を越えるといきなり中毒域に達してしまいます。
一般の薬剤では、治療域(治療にちょうどよい)、安全域(治療域を越えているが中毒にはならない)、中毒域(薬物中毒症状を起こす)があり、多少量が多くても中毒になりません。
そのため、テオフィリンの血中濃度を定期的に検査する必要があります。
テオフィリンの中毒症状:
軽症)頭痛、不眠、嘔吐、興奮、動悸
重症)痙攣、意識障害など
ただし、頭痛、不眠、興奮、痙攣などはテオフィリンの血中濃度が治療域でも起こることがあります。
2)×
ステロイド吸入直後には、必ず含嗽を行います。
吸入した薬のほとんど(約 80%)は口腔内に残ります。
吸入ステロイド薬が、口腔内や咽頭部に残ると、食道カンジダ、口腔カンジダ、嗄声(声がれ)が起こることがあります。
そのため、 口腔・咽頭部まで含嗽を行い、残留薬剤を取り除く必要があります。
3)×
喘息のある患者さんは、発作時以外でも気道に炎症があります。風邪やインフルエンザなどのウイルス感染によってさらに炎症が強まり刺激を受けやすくなります。
そのため、インフルエンザワクチンの予防接種を受け、喘息症状が悪化するを予防します。
4)×
β遮断薬は、交感神経の働きを抑えて心臓を少し休ませるなど、心不全治療薬として使われる薬剤です。
喘息治療では、β遮断薬ではなく、β刺激剤を使用します。
β刺激薬は、即効性のある気管支拡張薬で、咳嗽や呼吸苦などの喘息症状を改善する薬剤です。