看護師の過去問
第108回
午後 問161
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問題
看護師国家試験 第108回 午後 問161 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(64歳、男性)は、2年前に前立腺癌(prostate cancer)と診断され、内分泌療法を受けていた。1か月前から体動時に強い痛みが腰部に生じるようになり、外来を受診したところ腰椎転移と診断された。
Aさんに生じている痛みで最も考えられるのはどれか。
Aさんに生じている痛みで最も考えられるのはどれか。
- 関連痛
- 体性痛
- 中枢痛
- 内臓痛
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この過去問の解説 (3件)
01
1)×
関連痛とは、痛みの原因となる場所とは違う場所に痛みを感じることをいいます。
例えば、心臓に痛みの原因があるときに、左腕に痛みを感じたりします。これを関連痛といいます。
内臓痛を伝える感覚神経と皮膚の痛覚を支配する感覚神経が同じ高さの脊髄後角に入り、共通の脊髄視床路の神経に接続します。
その結果、大脳皮質の体性感覚野が内臓痛を皮膚痛と誤認するために発生します。
2)○
体性痛とは、内臓をとりまく腹膜や腸間膜、横隔膜などに分布している知覚神経が刺激されて起こる痛みで、痛みの場所がはっきりとした鋭い痛みです。身体を動かした時などに痛みが強くなることがあります。
Aさんの痛みは、前立腺がんの骨転移によるがん性疼痛であることが判断できます。
がんが骨・筋・皮膚などに転移・浸潤して侵害刺激を与えて痛みが生じています。
体性痛の特徴は、疼痛部位が明瞭、強い痛みです。このポイントを覚えておくと、便利です。
3)×
中枢神経の損傷や障害によって起こる疼痛です。
脳の損傷部位と反対側の半身にしびれを伴う痛みが起こることがあります。
4)×
体性痛と比較されるのが内臓痛です。
内臓痛とは、胃・腸・尿管などの「管」になっている臓器の蠕動で起こる痛みです。
内臓神経(自律神経)を介して痛みが伝えられるため、痛みの部位がはっきりしないことが多いのが特徴です。キューッと差し込んでくる痛みが多く、吐き気や冷汗などの症状を伴うこともあります。
体性痛同様、痛みのポイントを押さえておくと区別がつきやすいです。
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02
1の関連痛は、原因となる部分から離れた場所に痛みを伴うことを言います。この場合、腰部に転移しており、腰部に痛みを訴えていることから間違いになります。
2の体性痛は、組織に何らかの原因を伴った時に現れる痛みになります。腰部に転移して組織に刺激が加わったことで、腰部に痛みが伴っているため正解になります。
3の中枢痛は、脳や脊髄の障害によって、神経刺激によって障害されている原因部位とは関係なく痛みを伴うことをいうため間違いです。
4の内臓痛は、内臓自体に障害があることによって、内蔵実質の正常な動きをすることで痛みが生じ、刺すような痛み、絞られるような痛みなどを伴うことをいうので間違いです。
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03
×不正解
原因周囲や原因となる部位から離れた部位からの痛みを関連痛といいます。例として上腹部内臓のがんで肩や背中が痛くなることや狭心症で心臓の痛みを左上腕の痛みと感じるなどが挙げられます。
2 . 体性痛
○正解
皮膚、骨、関節、筋肉といった体性組織に切る、刺す、圧力などの機械的刺激や熱刺激、化学刺激が原因で発生する痛みです。
痛みの部位が限られていて、うずくような痛み、刺し込むような痛みと表現されます。
術後早期の創部痛や骨転移の痛みが例として挙げられます。
Aさんは受診で骨転移があると診断されたため、この選択肢が正解となります。
3 . 中枢痛
×不正解
中枢性疼痛とも呼ばれます。
脳もしくは脊髄に障害があり、末梢からの受容器からの疼痛刺激がないのにまるで受容器が強く刺激された時のように感じる強い疼痛のことです。
4 . 内臓痛
×不正解
食道、胃などの管上の臓器の炎症や閉塞、肝臓や腎臓などの炎症や腫瘍による圧迫、臓器皮膜(腹膜)の急激な伸展が原因で発生する痛みを内臓痛と言います。
押される、絞られるような痛みと表現されます。
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