正解は1です。
1)○
認知症高齢者とのコミュニケーションにおいて、言葉だけに頼らない非言語コミュニケーションが効果的です。表情を見せるのも、その1つです。
認知症高齢者は、人から話を聞き、それを理解することが困難になるため、対話を拒む人もいます。
しかし、言語では伝わりにくくても、表情やジェスチャーなどで、こちらの気持ちを伝えることができます。それが心の安定を導くことにつながります。
2)×
認知症の人に話しかける際の注意点として、正面に回り、目線を合わせてから話しかけます。
目線を合わせることで「これから話します、あなたと話をしたいです」という合図になります。
また、本人と目線の高さを合わせ、ゆっくり、適度な声の大きさで、分かりやすい言葉で話しかけることが不安緩和につながります。
3)×
認知症は、記憶力が衰え、過去に記憶したことも思い出せなくなります。
思い出せないことや、今までできていたことができなくなる、ということを受け入れられず、急に塞ぎ込んだり、逆に周囲に八つ当たりのように、怒りっぽくなるなどの変化が見られるようになります。
とにかく心理的に不安であるということを、コミュニケーションを取る上で心得ておくことが必要です。
会話の内容を記憶しているか確認しながら対話することは、相手の不安を仰ぐだけではなく、気分を害し、ストレスを与えます。
4)×
認知症高齢者は、思っていても言葉が出てこない、何を話していたのか忘れてしまった、などの症状から会話が成り立たないことがあります。
設問の通り、ご本人のペースに合わせるという意味では「待つ」ということも大切です。
しかし、思い出すまで待ち続けるというのは適切ではありません。焦りや自尊心を傷つけることにもつながります。
会話の内容からイメージして、こちらから投げかけてみるなど、会話を上手に誘導することも必要です。