看護師の過去問
第108回
午後 問182

正解は４です。

1)×
精神保健福祉センターは、精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関で、精神保健福祉法によって、各都道府県及び政令指定都市に設置することが定められています。
業務内容は地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、適切な精神医療の推進から、社会 復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のための援助に至るまで、広範囲にわたります。

2)×
精神病入床患者の疾病別内訳で、1位は「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」です。
認知症は年々増加しており、2位となっています。

3)×
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。
精神障害者の自立と社会参加の促進を図るめ、様々な支援策が講じられています。
具体的なサービス内容は、公共料金等の割引、NHK受信料の減免、税金の控除・減免、所得税、住民税の控除、公共料金等の割引、鉄道、バス、タクシー等の運賃割引など、様々な割引があります。

設問の「通院医療費の給付」は、自立支援医療（精神通院医療）制度となります。
自立支援医療制度は、精神疾患の治療に掛かる医療費を軽減する公的な制度です。
経済的な不安を軽くすることで、体調の安定や治療への専念などにつなげることができます。

4)○
日本は精神病床数はいまだに OECD 諸国で最も多く、 OECD平均は 10万人当たり 68床であるところ、日本は 269床となっています。
日本の多くの精神病床は、慢性疾患患者の長期入院に利用されています。
OECD のほとんどの国では、病院から地域へ医療を移行する「脱施設化」が主要傾向となっています。
対して、日本はこの脱施設化の傾向が遅れていることが原因であるといわれています。

正解は４です。

１の精神保健福祉センターは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関で、都道府県および政令指定都市単位で設置されているので間違いです。

２は、精神病入床患者の疾病別内訳で、最も多い疾患は統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害なので間違いです。

３の精神障害者保健福祉手帳制度は、ある一定の精神障害の状態にあることを認定するもので、精神障害者の自立と社会参加を促進するために、手帳を持っている人には社会的支援が得られます。

通院医療費の給付は自立支援医療の申し込み手続きをすることで得られるものであるため間違いです。

４の人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構＜OECD＞加盟国の中では最も多いは、日本は2012年のデータで1000人当たり2.7床であるのに対して、フランス0.9床、ドイツ1.3床、イギリス0.5床、ベルギー1.7床となっているため正解です。

1 . 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
×不正解
精神保健福祉センターは精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関です。
都道府県および政令指定都市単位で設置されています。都道府県によっては精神医療センターとしているところもありますが、目的は同じです。

2 . 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
×不正解
精神病入床患者の疾病別内訳で、最も多い疾患は統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害です。
認知症は2番目となっています。

3 . 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
×不正解
精神障害者保健福祉手帳制度はある一定の精神障害の状態にあることを認定するものです。精神障害者の自立と社会参加を促進するために、手帳を持っている人には社会的支援が得られます。
例）所得税、住民税、相続税の控除、公共料金の割引、手当ての支給

通院医療費の給付は自立支援医療の申し込み手続きをすることで得られる経済的な支援です。



4 . 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構＜OECD＞加盟国の中では最も多い。
○正解
厚生労働省が2018年に発表した「最近の精神保健医療福祉施策の動向について」では精神病床数は過去15年で減少傾向にあります（33.8万床）。
OECD加盟国は現在36カ国です。
日本は2012年のデータで1000人当たり2.7床であるのに対して、フランス0.9床、ドイツ1.3床、イギリス0.5床、ベルギー1.7床と、病床数が非常に多いです。