看護師の過去問 第108回 午後 問199

急性心筋梗塞では、胸痛、息切れ、動悸、全身の倦怠感などの症状があります。

1 . 皮疹の出現
×不正解
急性心筋梗塞では皮疹の出現はありません。
よって、不正解です。

2 . 頻脈の出現
○正解
心筋梗塞では、心臓に栄養と酸素を送る冠動脈が血栓やコレステロール等の蓄積によって塞がってしまい、詰まった先の心臓細胞に酸素が送られないことにより胸痛や息切れが起こります。酸素が途絶えた細胞は20分以上経つと壊死してきます。そうすると、心拍出量が減少することにより、心臓が代償として脈を早くして循環血液量を保とうとします。
よって、この選択肢が正解となります。

3 . 時間尿の増加
×不正解
心筋梗塞では時間尿の増加は認められないため、不正解です。

4 . 腹壁静脈の怒張
×不正解
腹壁静脈の怒張はメデューサの頭とも言われ、肝臓の門脈圧亢進症やバッド・キアリ症候群で見られる症状です。門脈血流路が何らかの理由で狭窄したり、閉塞したりすることで門脈圧が上昇するために起こります。肝硬変、肝臓癌なども原因となります。
よって、不正解です。

5 . うっ血乳頭の出現
×不正解
うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進が原因で、眼底にある視神経乳頭にむくみ、充血した状態です。
急性心筋梗塞では起こらない症状なので不正解です。

正解２．頻脈の出現


急性心筋梗塞

冠動脈が閉塞し、心筋への血流が途絶えて壊死を起こした状態で、生命の危険があります。
心筋梗塞の原因の大部分は、動脈硬化であると言われています。
症状としては、激しい胸痛が30分以上持続します。

合併症として
・不整脈（心室性期外収縮・心室細動・心室頻拍・徐脈性不整脈など）
・うっ血性心不全
・心原生ショック
・心破裂
があります。

心臓のポンプ機能が低下して心拍出量が減少すると、心拍数を増やして拍出量を維持しようとするため頻脈になります。


１．皮疹は、皮膚に現れる肉眼的変化です。
皮膚への物理的刺激や、感染、ストレス、薬剤など様々な原因で起こります。
急性心筋梗塞の合併症の兆候ではありません。


３．心筋梗塞で、心不全を合併した場合、血圧が低下し末梢循環不全・腎血流低下を招き時間尿量は低下します。


４．腹壁静脈の怒張は、肝細胞が障害されて肝臓の血流の抵抗が増大して起こります。門脈圧亢進の症状として現れます。
急性心筋梗塞の合併症の兆候ではありません。


５．うっ血乳頭は、頭蓋内圧亢進から眼底の視神経に浮腫が起こり充血した状態です。
急性心筋梗塞の合併症の兆候ではありません。

正解は2です。


1 . 皮疹の出現は心筋梗塞でみられません。


2 . 心筋梗塞にて心筋の機能が低下すると、血液循環させようと心臓が働くため頻脈が出現します。
よって正解です。


3 . 時間尿の増加は見られません。
逆に、心不全において尿量減少します。血液循環が悪いため、全身を巡った静脈血が心臓にうっ滞し、体内の水分量が増加します。
よって不正解です。


4 . 腹壁静脈の怒張は、肝硬変などによる門脈圧亢進症でみられる症状です。
よって不正解です。


5 . うっ血乳頭は頭蓋内腫瘍、クモ膜下出血による頭蓋内圧亢進により、眼底にある視神経乳頭がはれ上がり充血した状態を言います。
よって不正解です。