看護師の過去問
第108回
午後 問231

1 . いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。
〇正解
自殺企図があるかどうかを確認することが、治療方針や看護ケアにも影響を与えます。入院中にも「死にたい」と思うことがある可能性があるので、その時にきちんとそのことを表出してもらえるような看護師ー患者関係を構築する段階です。Aさんの命を守るためにも確認しなくてはいけない大切な質問です。
よって、正解です。

2 . 命を大切にしたほうがよいと伝える。
×不正解
分かっていても、うつ病や仕事での失敗など、Aさんが追い詰められて自殺しようとしたことに理解を示すことが必要です。入院時の声掛けとしては不適切です。よって、不正解です。

3 . 死ぬ気があれば何でもできると話をする。
×不正解
自殺を助長するともとれる発言なので不適切です。
特にAさんはうつ病と診断をされているため、この発言が「頑張れ」という応援のつもりでも、急性期のAさんには負担になってしまいます。よって、不正解です。

4 . 家族が悲しむから死んではいけないと伝える。
×不正解
Aさん自身がうつ病とストレスで他の事を考える余裕がない状態であることを理解しようとすることが大切です。よって、不正解です。

1．〇
　自殺企図があった直後であり、再び自殺企図に至る可能性もあるため、現在も希死念慮があるのかどうかは必ず確認が必要です。また、うつ病の場合、希死念慮の有無は臆せずに確認することが大切です。
2．×、3．×、4．×
　まずはAさんのつらさ、死にたいという気持ちを傾聴し、受け止めてあげることが大切です。命を大切にしたほうがよい、家族が悲しむから死んではいけない、と言われても希死念慮がなくなるわけでもラクになるわけでもありません。Aさんは「だったらどうしたらいいのか」と追い詰められ、さらにつらくなってしまうでしょう。死ぬ気があれば何でもできる、といった声かけもAさんの自殺企図をただ否定することにもつながるため、不適切です。

1 . 現時点でのAさんに起こりうることとして自殺があります。病院に入院してからも別の方法で自殺を図ることが考えられるため、最も聞かなければならない事項の一つです。
よって正解です。


2 . Aさんはそうわかっていてもそう思えない理由があるから自殺未遂を図ったと考えられます。そこでこのような声掛けは余計にAさんを苦しめることになるためふさわしくありません。
よって不正解です。


3 . 自殺を助長する声掛けはふさわしくありません。
よって不正解です。


4 . 2 .と同様に、Aさんはそうわかっていてもそう思えない理由があるから自殺未遂を図ったと考えられます。ここではその気持ちを受容することが最優先です。
よって不正解です。