看護師の過去問
第108回
午後 問230

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問230 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。

入院後2か月。Aさんは症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか。体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」と話した。
Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。
  • 服薬心理教育
  • 食事への援助
  • 筋力トレーニングの指導
  • アサーティブトレーニングの指導

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 服薬心理教育
〇正解
「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか」という情報から、病気は薬が効いているということ、服薬を継続することが大切であることをAさんに理解してもらう必要があります。よって、この選択肢が正解です。

2 . 食事への援助
×不正解
Aさんの食事習慣や一人暮らし中の食事の管理については情報がありません。また、優先度の観点からも服薬指導が優先度が高いため、不正解です。

3 . 筋力トレーニングの指導
×不正解
「体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」という情報から、内服薬による過鎮静の可能性もあります。しかし、入院してから2か月経っているため、入院生活による活動の制限による体力低下の可能性の方が高いです。
筋力トレーニングや活動量を増やしていくにはどうしたらいいのか計画を立てていく段階にはありますが、優先度としては服薬指導より高くない為不正解です。

4 . アサーティブトレーニングの指導
×不正解
アサーティブトレーニングとは、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を主張していくための行動トレーニングです。これは「相手にうまく伝えられない人」に対して行われます。Aさんは自分の思っていることを主張出来ています。よって、この選択肢は不正解です。

参考になった数1

02

1.〇
 症状がなくなると薬が不要なのではと感じ、薬をやめたいと感じる患者は多いですが、統合失調症の場合、症状の再燃や悪化を防ぐためにも、服薬の継続がとても重要です。そのため、この場合服薬の心理教育の優先度が高いです。
2.×
 食事について困っている様子はないので不必要です。
3.×
 体力をつけるためには有効かもしれませんが、ケアとして優先度の高いものではありません。
4.×
 Aさんはコミュニケーション上の問題を感じているわけではないようであり、困っていることをきちんと言語化して相談できているため、アサーティブトレーニングを行う必要性はあまり感じられません。

参考になった数0

03



1 . Aさんは看護師に「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか。体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」と話したという記載から、断薬しないよう服薬心理教育は適切な指導であると考えられます。
よって正解です。


2 . 食事は入院中にもすでにできていた内容であるため、現時点では必要性は低いです。
よって不正解です。


3 . 服薬心理教育を行えば、「体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」という薬に対する悪いイメージを払拭でき、結果的にそのようなことを思わなくなると考えられます。つまり筋力トレーニングの指導は行う必要はなくなります。
よって不正解です。


4 . アサーティブ・トレーニングとは、自分と同等に相手のことも尊重して、自身の意見や気持ちを適切に表現するアサーティブ・コミュニケーションが行えるようにするトレーニングです。
Aさんは現時点で自身の不安な思いを吐露することが出来ており、これを指導する必要はないと考えられます。
よって不正解です。

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