看護師の過去問
第110回
午前 問97

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問題

看護師国家試験 第110回 午前 問97 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん( 92歳、女性)は、脳梗塞( cerebral infarction )の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。
最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

Aさんの死の迎え方を決めるために優先されるのはどれか。
  • 主治医の治療方針
  • 施設の職員のケア方針
  • 入所時のAさんの意思
  • 現在のAさんと家族の意思

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4「現在のAさんと家族の意思」です。

看取りとは、無理な延命処置などは行わず、高齢者が自然に亡くなられるまでの過程を見守ることを言います。看取りにおいては本人の意思が尊重され、それを支える形で家族の意向を確認する必要があります。

1.看取りにおいては主治医の治療方針よりも、本人や家族の意向が重視されます。本人や家族の意向に寄り添う形で主治医や看護師が苦痛の緩和などのケアを行います。

2.施設の職員のケア方針は看取りにおいて重要視されるべきことではありません。

3.Aさんは入所してから2年が経過しています。この2年でAさんの考えに何か変化が起きているかもしれません。現在は自分の意思を表出するのが難しい状況ですが、重要視するべきは現在のAさんの意思です。

4.上記の通り、優先すべきは現在のAさんと家族の意思です。

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02

正解は4です。

看取りとは身体的、精神的苦痛や苦悩を緩和し、死のその時まで充実し納得して生活できるよう援助することであり、本人の意思を十分に尊重しなければなりません。

1.Aさんは徐々に反応は鈍くなっていますが、意思表示はできています。

主治医の治療方針ではなく、Aさん本人の意思を尊重すべきです。

終末期での医師や看護師の役割は本人や家族に対し情報提供を行い、現在の状態や治療の選択肢を伝えることです。

2.施設職員のケア方針もAさんの希望に沿ったものにします。家族や本人の意思や希望を聞き、よりよい最期を迎えられるよう支援します。

3.尊重されるのはAさんの意思ではあるが、生活環境や状態により意思は変化するものであるため、現時点でのAさんの意思が重要になるため、入所時のAさんの意思は優先されません。

4.現在のAさんと家族の意思が最優先になります。入所時には本人と家族での希望が違っていますが、現在のAさんの状態や意思、家族の希望を話し合い両者が納得し残りの時間を生活していけるよう援助する必要があります。

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03

正解: 4. 現在のAさんと家族の意思

Aさんは反応が徐々に鈍くなってきているものの、意思表示することが出来ています。

状態が変化すると意思も変わりうるため、現在のご本人及び家族の意思決定を尊重することが望ましいです。

1. →主治医の治療方針ではなく、Aさんや家族が意思決定をすることが出来るよう、情報提供や相談・支援を行うことが望ましいです。

2. →施設の職員のケア方針ではなく、Aさんや家族の意思を尊重し、望むケアを受けられるように施設や職員が支援することが望ましいです。

3. →過去の意思は、変化している可能性もあるため、現在のご本人及び家族の意思を再確認する必要があります。

ご本人が意思表示できない場合は、ご家族がご本人の代理となって意思決定することが望ましいです。

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