看護師の過去問
第110回
午前 問98
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問98 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 92歳、女性)は、脳梗塞( cerebral infarction )の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。
最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
Aさんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。
Aさんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。
最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
Aさんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。
Aさんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。
- 好きな音楽をかける。
- 輸液療法を検討する。
- 家族の面会を制限する。
- 皮膚の清潔ケアを頻回に行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1「好きな音楽をかける」です。
1.Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションでは笑顔もみられていたので、音楽をかけることは、Aさんが穏やかに過ごすための有効な方法だと考えられます。
2.皮膚の乾燥がみられることから脱水状態であることが伺えます。補液を開始すべきだと考えるのは分からなくもないですが、終末期の患者さんへ不用意に補液を開始することは苦痛になることもあります。体の中に水分が入ることで気道内分泌物が増え、呼吸苦が出現したり、吸引が必要になることもあります。Aさんにとって補液は必要無いと考えられます。
3.終末期患者にとって家族の面会は何よりの喜びですし、家族にとっても最後の時を過ごす貴重な時間です。面会に制限をかける必要は全くありません。
4.高齢者や終末期患者は皮膚が脆弱になっています。そこへ頻回に清潔ケアを行うのは、皮膚への負担が大きいばかりか、Aさんへの負担もかなり大きいものになってしまいます。Aさんが負担に感じない範囲で保清のケアを行う必要があります。
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02
正解は1です。
1.聴覚は最後まで聞こえているといわれています。Aさんの好きな音楽をかけることはAさんにとって心穏やかに過ごせるための支援のひとつと考えます。
2.Aさんは延命治療を望んでいないため、輸液療法は適切ではありません。
輸液療法では症状改善はできないばかりか、必要以上の輸液は全身の浮腫の増加や胸水や気道分泌物の増加の危険性もあります。
3.家族の面会は制限しません。
反応はなくても声は聞こえています。家族の声を聞くことでAさんは心穏やかに過ごすことができます。また家族にとってもAさんと過ごす時間により最後の時への心の準備や喪失感の軽減も図れます。なるべく、家族との時間を多くするよう支援します。
4.終末期の患者の皮膚は体外刺激に弱く、過度な清拭は皮膚トラブルの原因になります。また体力も落ちているため、Aさんの負担にもなります。
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03
正解: 1. 好きな音楽をかける。
終末期では、ご本人の身体的・精神的・社会的苦痛をなるべく軽減し、ご本人や家族が穏やかに過ごすことが出来るように支援することが大切です。
Aさんは歌が好きだという記述もあり、好きな音楽をかけることでご本人の心の安寧に繋げることが出来ます。
2. →終末期は、身体機能が低下しているため、輸液療法はかえって全身浮腫を生じさせ、胸水・腹水・気道分泌物を引き起こす可能性がありますので、適切ではありません。
3. →家族の面会は、ご本人が安心して過ごせるように、なるべく多く行えるよう配慮する必要があります。
4. →皮膚は乾燥し脆弱なため、頻回な清潔ケアはかえって支障を与えてしまう可能性があります。清潔ケアは、必要最低限に留めた方が良いでしょう。
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