看護師の過去問
第110回
午前 問99
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問99 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 92歳、女性)は、脳梗塞( cerebral infarction )の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。
最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
3日後、Aさんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。
看護師が観察するAさんの状態はどれか。
最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
3日後、Aさんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。
看護師が観察するAさんの状態はどれか。
- 尿量の増加
- 流涎の増加
- 下痢便の出現
- 下顎呼吸の出現
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4「下顎呼吸の出現」です。
1.終末期患者において尿量は減少します。経口から水分がとれていない上に、循環血液量は減少するので、尿量も減少します。
2.流涎は減少します。循環血液量の減少により口腔内は乾燥します。
3.終末期患者は腸蠕動が低下することにより便秘になります。注意が必要なのは、終末期患者において、死期が迫ると、肛門が弛緩して溜まっていた便が出てくることはあります。腹圧がかけられないので、便塊が出てくるというよりは、便汁のようなものが少量オムツ内に出ているといったものです。下痢便の出現とは少し違います。
4.下顎呼吸とは、死の直前に現れるものです。酸素の取り込みが少なくなることで、顎と喉の筋肉を動かして酸素を取り込もうとする呼吸のことです。
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02
正解は4です。
1.Aさんは経口での食事や水分摂取を行えていないため体内循環量は減少しています。
そのため、尿量は減少し尿の色も濃くなります。
2.流延も減少します。これも、体内の循環量が減少することで起こります。
口腔内は乾燥するため、意識がなくとも口腔ケアは毎日行います。
3.下痢ではなく、便秘になります。
Aさんは食事も水分摂取もできてなく、また長期臥床状態にあると腸の蠕動運動が弱まります。そのため便秘が起こります。
4.下顎呼吸とは酸素の取り込みが十分にできないため顎と喉の筋肉を動かし酸素を取り込もうとする呼吸状態です。あえぐような呼吸になります。
死亡前の兆候として出現します。そのため、呼吸状態の観察は重要です。
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03
正解: 4. 下顎呼吸の出現
臨終期にみられる呼吸の変化として、呼吸数・リズムが不規則になり、呼吸筋の低下による喘鳴や、換気が不十分になるために下顎呼吸がみられるようになります。
1. →心機能等の低下により循環血液量が低下したり、腎機能低下により尿が生成されなくなり、尿量は低下します。
2. →流涎(りゅうぜん; よだれのこと。)は、減少します。循環血液量の低下や、唾液分泌等の機能低下により、口腔内は乾燥します。
3. →水分摂取量の低下による循環血液量の低下や、消化管運動が低下することから、便秘傾向になります。
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